『月夜』
部屋の電気を消し、真っ暗になったままカーテンを思いっきり開けた。すると、窓の外には月夜にも関わらず、数えきれない無数の星々が煌びやかに輝いていた。流れ星が見えたのも一度や二度だけではない。
まるで夢のような景色を目の当たりにていると、私は自然と涙が溢れてきた。この星空をあなたの隣で見ることができて本当によかった。
あなたにバレないように私は背を向けて慌ててそれを拭った。
______やまとゆう
『たまには』
たまには朝の10時まで寝る。
たまには何もせずぐうたら午前中を過ごす。
たまには家を出ず好きなことをずっとやる。
たまには好きなものを好きなだけ食べる。
疲れが溜まりきった時、たまには自分を甘やかしていいんじゃないかな。それが彼女の口癖だ。
______やまとゆう
『大好きな君に』
昨日、大好きな君に言われたあの言葉。
嬉しくもあり悲しいあの言葉。
彼の言葉はどんな言葉も私に大きく影響する。
君は気づいていないだろうけれど、私は昨日よりも大きな気持ちを抱きながら君の横でいつものように大きな声で笑っている。
______やまとゆう
『ひなまつり』
節分が終わった時、すぐに押入れから雛壇を引っ張り出してリビングに置き、ひなまつりが終わったらちゃんと背中を向けておく父親。
不器用でガサツな父だけれど、そういうところを毎年何も言わずにやってくれるところ、私はけっこう好きです。毎年ありがとう。直接は言いづらいから今日の夕食でお返しすることにしよう。
______やまとゆう
『列車に乗って』
実家へ帰ろうと乗り込んだ列車に乗った僕を見送りに来てくれた彼女は、何も言わずに彼女もこの列車に乗って僕の席の向かいに座った。緊張して僕も何も話せない。
次に会うのは何年先になるのか分からないのに。
いっそこのまま、僕の住んでいる街に来てくれたらいいのに。それかこのままずっとこの時間を過ごせたらいいのに。身も蓋もない願い。ちらっと彼女の顔を見てみた。やっぱり可愛い。うん、帰りたくないなぁ。
______やまとゆう