『遠くの街へ』
安定した収入。過ごしやすい部屋。バカなことを一緒にしてくれる友人。多くのものが私の側にある。
それなのに私は遠くの街へ行きたい気持ちが日が経つごとに強くなっている。あの、自分のやりたいことに挑戦できる「あの街」へ。理想と現実が毎日喧嘩をしていて、結局最後には現実が勝ってしまう。
明日こそは。そう自分に言い聞かせながら私は今日も心の中に葛藤が積もる。
______やまとゆう
『現実逃避』
仕事に行かず、ご飯も食べていない。むしろ起きてもいない。何もしていない。現実逃避のような時間を過ごして何日が経っただろうか。
あの人は逃げるように僕の前からいなくなった。いっそ僕もこの世から逃げてしまおうか。
そんなことを考えても、いざ行動に移せない自分がダサくて弱くて悔しかった。涙が枯れるまで泣き続けた。
______やまとゆう
『君は今』
2年前、東京へと旅立っていた幼馴染。
君は今、元気にしていますか?
成人式の時、一緒に晴れ着姿で撮った写真を眺めながら心の中でそう呟いた。
何だか無性に連絡が取りたくなってLINEのトーク履歴を見た。あと一歩が踏み出せずに彼の写真を眺め続けている。
______やまとゆう
『小さな命』
命に小さいも大きいもあるわけないじゃん。
何言ってんの、そんな当たり前なこと。
あたしの命だってアンタの命だって平等なの。
生きてりゃ何とでもなる。
泣きたくなったら思いっきり泣けばいい。
あたしが隣にいてやるからさ。
______やまとゆう
『太陽のような』
転校生として私たちの前に現れた彼。
ニカッと歯茎を剥いて笑う純粋無垢なその笑顔。
それを見た私の心の中はほっこりと暖かくなる。
その笑顔につられ、みんなも笑う。
太陽のような人。それが彼の第一印象だった。
______やまとゆう