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4/8/2024, 11:37:51 AM

「これからも」「ずっと」私はこの二つの言葉を信用していない。
故に「これからも、ずっと」なんて言葉はクソだ。
どちらも、未来での行動の継続を指す言葉で、私の手が届かない境界の話だから。

ギターをFコードが出来なくて辞めた。
何となく続かなくて絵を辞めた。
一話も完成させずに執筆を辞めた。
上手くならないからバスケを辞めた。
――私は飽き性だ。甲斐性なしだ。何をやるにしても自分の『楽』を追いかけて、結果を追い求めないロータスイーター。

でも、永遠の愛も、病みつきスナックも、トレンドも、少し時間が経ちさえすれば、誰が言うともなく時代の後ろで廃れている。
世間も大概、飽き性だ。
飽き性な世間に生きる私が、飽き性なのは至極当然なこと。
……こうやって言い訳ばかりしているんだから、救えない。
【これからも、ずっと】2024/04/08
これからもずっと、この子は変わらないです。残念ながら自覚を持っていることは怠惰の免罪符にはならんそうです。

4/7/2024, 1:15:11 PM

『沈む夕日を追いかけ続ければ、夜来ない説〜』
「止めて」
「は? 何すかトイレすか?」
「テレビ」
あっ、と運転席の男が短く叫ぶ。対向車が横切る風の音だけが車内を満たし、サービスエリアは視界の隅に遠ざかる。
「はあ……? 見てたのに」
「うるさい」
「ええ……機嫌わる」
げっそりした様子で音楽をかけ始める。
車窓越しの水平線に確かに見えた。

――夕日が昼を連れてくんだよ。
「だから夕日を追いかけたら夜は来ない!」
私の暮らす田舎の村には、丁度西の方角に立入禁止の神社があった。
蝉がクラクラしそうなほど鳴く8月の上旬のことだ。
「夕日だ!」
そう言った幼馴染を必死に追いかけていた。
いつも私よりずっと足の遅い彼が、獣のように神社の階段を登り、森の獣道をかき分けていく。上がりきったような息の拍と、高揚で鳴る心臓の動きはほぼ同じだった。
本殿らしきものが彼の肩越しに見える。よろよろと数歩、直後に本殿前の一面の彼岸花に倒れ込む。
「ヒロ、帰ろう? 疲れたよ……」
――彼の姿はどこにも無かった。

常人では有り得ない速さで夕日を追った彼はきっと逢魔時に長く居すぎたのだ。
私の足がもう少し速かったらと思うとゾッとする。
でも同時に、一抹の好奇心もある。
だって
地平線の向こうにいる彼は、とても幸せそうだもの。
【沈む夕日】2024/04/07
西に太陽が沈んで東に月が見えますわ的な昔の詩が好きでした。

4/6/2024, 5:13:59 PM

私は君と目が合えばなあと思って、君の目を見つめる。
そういうときは目じゃなくて君を見てるって感じ。
だから――
「リカの目って相変わらず綺麗だよね。カラコンみたい」
君が私の目を褒めてる間はたとえ目が合ってても
見てるのは“私“じゃなくて“目”って感じでサイアク。
【君の目を見つめると】2024/04/07

4/5/2024, 3:42:34 PM

「わたし、目がいいんだよ」
「昼の星が見えるの」
別に夜じゃなくたって、星は居る。昼は太陽が、彼らを匿っているだけなのだと。
それは、幼い私にはあまりに衝撃的で、同時に残酷な事実だった。
星にも階級がある気がしたのだ。
太陽が一番、夜の星が二番、昼の星が三番。
「みにいこう」
「え? 何を?」
「昼の星!」
私だけは昼の星を見てあげたい。朽ちるまで誰にも会わないのはきっと寂しい。

「ほら、見えるでしょ?」
「ぜんぜん……」
「なんでー?」
青空を指さして、三角形だよ、なんて言ってのける少女は、多分私とは住む世界が違ったんだと思う。私が見つけた昼の星は、しつこいまでに輝く太陽と――月。それだけ。
次の日も少女は空を見ていた。きっと少女の目に映っているのは、私が見る青空なんかじゃなくて、昼の星空なのだろう。そう思うと、少し損をしているような気分になる。

私達は常に星空の下で生きている。それは、地球に居るという証明だ。
明日の朝、昼の空を見上げて星を見てみて。
可視化世界のスケール感は、コズミックで見落とされるくらいちっぽけだ。
恐怖や困難、羞恥から逃げ出しても何も変わらない。
【星空の下で】2024/04/06
あとで修正。星の話でいうと、北極星って持ち上げられすぎだと私は思います。

4/3/2024, 11:59:36 AM

1つだけ。
そういう人は決まって、1つ以上を求める。
1つだけ頂戴、1つだけ伝えたい、1つだけ、1つだけ……。
自分の欲望を押し込めるために、一本指を立てるのだ。
【1つだけ】2024/04/03
頭がぐにゃぐにゃ曲がるレベルで痛いので今日はお休みです…

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