嵐が来ようとも、
明日人類が滅びようとも、
私はあなたと一緒に夜ご飯を作り、食べ、
そして仲良く寝るのだと思う。
「 嵐が来ようとも 」
人一倍失敗がコワイ。
人がそんなに?って思うことでも緊張する。
昨日やってしまったちょっとした失敗にドキドキして、
朝、いつもより早く目覚める。
深呼吸して、心を3回叩く。
「大・丈・夫」 これが私のおまじない。
ただ、昨日の小さな出来事なんて
誰も責めたりしない。
気にもとめてなかったりする。
ただ、会社という小さいようで大きい
その籠の中で私は毎日小さなドキドキを繰り返す。
たまに、抜け出したくて、
温泉に出かけたり、寄り道しておいしいものを食べたり。
そうやって、うまいこと羽根を広げないと
籠の中で縮こまってしまうから。
帰り道、ハーゲンダッツ買って帰ろーっと。
明日ちゃんと飛べるように。
「 鳥かご 」
「昨日ね、友達が私が行けなかった時の
ランチ会の写真、
送ってきたんだよね。
あっちは、子供いたり、キラキラしてたり。
人生のフェーズが違うというか…
萎えて、距離置いちゃったよ〜。」
と、同僚がお昼の休憩室で言う。
人それぞれだなと思った。
私も先日同じようなことがあった。
私の場合、彼女の言うフェーズが違っても、
わざわざ連絡してくる友達が可愛らしく思えた。
単純に生活を自慢したい子達ではない。
家庭のことで泣いたり叫んだり、
時に離婚する!とあたしの家に駆け込んできたり。
かと思えば、そんな写真を送ってきたり。
喜怒哀楽、こんな年になっても、
母になっても、なってなくても、
馬鹿みたいに遊び回っていたあの日のように
いろんな感情を、共有している。
いろいろあっての、さらに奥なる
感情の共有だ(笑)
そんな友人が2人もいることだけで
私はきっと救われているだろうし、
救っているのだろう。
「 友情 」
ここ1週間、残業三昧。
家に帰って布団に倒れ込む。
重力をずっしり感じる。
疲労感が絶対物として見えるようだ。
はぁ…
やりがいは感じている。
それなりの地位も手に入れた。
毎日充実もしている。
でも、このままでいいのだろうか。
いや、いいのだろう。
でも、もっとすごいこもを成し遂げられる気がする。
いや、やりたいことなんてないし…
でも、、、
ふと見上げた先には窓越しに映る自分の顔。
10代の希望に溢れた日のあたしに
今のあたしは誇れるだろうか。
ガラス越しに見える自身の目の奥には
なんとも表現できぬ靄があっだ。
「視線の先には」
「いてててて…」
ヒールで靴擦れした足を擦る。
来週のデートに備え、新しい靴で出かけてみたが、
案の定、痛い思いをしていた。
柄にもなくヒールなんて履くもんじゃなかった。
たまには、女らしい姿を見せたくて、
シルバーの繊細な7センチヒールを買った。
うーん。若い頃はこんなの毎日履いていたのに…
知らぬ間にできないことが一つ…。
この頃はおでこにシワも入るし、
スキンケアを油断すると何かしらのトラブルになる。
歳を取るってやだなぁ〜。
ぼぉっとベンチに座って休んでいると
ぽとりと落ちている1輪のハイビスカスが目に入った。
辺り一面にハイビスカスが咲き誇っている中で
唯一その子だけが地面に落ちていた。
なんだか悲しそうな、寂しそうな、
やりきれない顔に見えた。
同時に「私はまだ美しいわ!」
と強く主張している様にも見えた。
花が散る時、落ちる時、
自身の判断で散るのだろうか。
それとも、まわりに迷惑をかけないようにと
周囲から切り離されるのだろうか。
答えは調べてしまえば、すぐわかるのだろうが、
たとえ正解じゃなくとも、
私は、自身の判断で散るのではないかと思う。
気高く、自身の美を追求し、自ら命を終える。
大丈夫よ。散った後でも、
こうして私の心を揺さぶる貴女はとても美しい。
歳を取ると、若い頃みたいな美しさは、
すり減っていくけれど
経験や性格でまた姿、カタチが変わる。
自分次第で見え方は決まる。
自分らしく、今の自分に誇りを持って。
「 落下 」