東中野駅から徒歩7分1LDK。私の城に帰る。
ここ4月から2ヶ月間詰めていたプロジェクトが終わり、
祝のワインをあける。
デパ地下で買ってきた惣菜をひろげ、
今日は一人贅沢会の開催である。
こういう時間が何よりも至福である。
「将来ね〜…」
来年の3月から同棲を始める。
かと言って、結婚が決まっているわけではない。
互いのアパートの更新に合わせて、
一緒に住むことになった。
人と住む実感がわかない。
高校卒業と同時に山形から上京して、独り暮らしは15年目。
好きな時にご飯を食べ、
夜ふかししてアニメや小説に惚け、そんな毎日を繰り返してきた。
家の中には、コツコツと集めた北欧雑貨やインテリア。
観葉植物たち。15年の歴史を感じる。
このまま上手くいけば、彼と一緒にずっといるのだろう。
それは、何よりも嬉しいことだ。
私は彼こそが生涯を共にするパートナーだと直感している。
その反面、
彼といる未来のイメージが描ききれない。
いや。家族をつくるイメージと言った方が正しい。
彼との間に子どもを授かったりして、
親になったりするのだろうか?
あと5年もすれば、ごくごく普通に
いわゆる「幸せな家庭」を築いているのかもしれない。
…そんな風になりたいという気持ちと裏腹に
そうなりたくない自分もいる。
自分というカタチが変わってしまいそうで怖い。
ただ、今ここにいる私だって
いつかの私の未来なのだ。
そうやって、不安と期待を膨らませて
今日まで生きてきた。
自分は自分で変わることはない。
そう信じて明日を迎える準備をする。
「 未来 」
一週間位の暇があったら、
旅行に行き、美味しいものを食べて、
沢山の観光名所を周り、心身共にヘトヘトになる位
遊んでやるのになー。
何日かは、溜め込んだ小説、漫画、映画を観る。
デパ地下で惣菜を買い込んで
よれよれのパジャマのまま1日引き籠もるのだ。
大人になって、そんな時間取れりゃしない。
作ろうと思えば作れるのかしら?
「ないものねだり」
ご飯がおいしいとか、友達と遊ぶとか、
彼が隣にいるとか、仕事をするとか、
楽しんだり、疲れたり、へこんだり、感動したり、
そんな平穏な日々は当たり前じゃない。
すべてのモノに、人に、
優しくしましょう。
毎日が難しくとも、思い出した日だけでも。
「 平穏な日常 」
金曜ロードショーで
3年前に流行った恋愛映画が放送されていた。
主人公達の甘くて、酸っぱい出会いや生活に
付き合いたての自分たちを重ねて、共感したっけ。
あいつは、映画や邦ロックが好きだった。
よく一緒にレイトショーを観に行ったし、
フェスにも二人で参加した。
今思えば、映画の好みも違うし、
私の音楽の楽しみ方は一人でじっくり味わう方だし、
好みが合う、気が合う はその程度のものだった。
それでも、彼と私は最強の二人だった。
ただ、一年がすぎる頃、些細なお互いの違いが気になり、
バランスが崩れ、不穏な空気が流れるようになった。
彼は今どこで何をしているだろう。
フェスで元気に走りまわるような女の子が
隣にいるのだろうか。
きっと、私ではなく、その子の方が
彼にとって良いと思う。
そんなことを考えながらぼーっとテレビを観ていると
つい1時間ほど前まで仲睦まじかった二人は
別々の道を選んでいた。
「 過ぎ去った日々 」
朝起きて、一番に窓を開け、外の空気を吸う。
なんとなく、その日がどんなか感じることができる。
カラッとしたにおい 寒さでつーんとするにおい
もやもやしたにおい 希望に満ちたにおい
感じることができる、当たり前。
心が富んでないとできないことであろう。
日常にあるワクワクは、自分で探さないと見つからない。
仕事や学校で失敗して、どんよりとした日でも
なにか一つ些細な幸せを見つけるだけで
心の豊かさは変わる。
家族、恋人、友人、趣味、言葉、、、
それらを目一杯抱きしめていこう。
「 お金よりも大切なもの 」