ご機嫌な君は鼻歌を歌いながら一人で積み木を重ねている。
もうすぐ三才になる君。まだ曲のレパートリーは少ないけれど、その分独創性のある曲も歌ってるね。
君にしか歌えない君だけのメロディ。僕は君のような歌は歌えないけど、その分君に限りない愛の歌を贈るよ。
だからもう少しだけ僕にその歌を聴かせておくれ。
パパ大好きの歌を。
大好きなあなたに贈る言葉。
月並みだけど受け取ってほしい。
I love you!
……ということを彼に言いたいけど、恥ずかしくて言えない……
彼は恥ずかしげもなく私に愛の言葉を言ってくれるけど、なんであんなにさらりと言えちゃうんだろう?
私には真似できそうにもないなぁ……
雨は嫌いだけど雨音は好き。
だから自然音(雨)を良いオーディオで再生して作業タイム突入。
しばらく作業に没頭して、なんだか音量大きくなった? と思ってボリュームを確認するも問題なし。
首を傾げつつふと外を見たら、なんと雨が降っているではないか!
急いで洗濯物を室内に取り込み、ビチャビチャになってしまったものは洗濯機に放り込んでもう一回洗濯。
水も電気代ももったいないけど仕方がない。
ん、待てよ? ……外は雨で室内には雨の自然音が流れている。
私は今、雨音に包まれているといっても過言ではないのかも。
……まあさすがに雨が降ってる中で自然音をかけてる意味はないから普通に切るけどね。
目を閉じて椅子に座っている君はとても美しい。
あわよくばその目を開いた君も見てみたいけれど、それは叶わぬ願いというものだろう。
なぜなら君は人形だから。
ぼくが一人でも寂しくないように、と友が作ってくれた、人間と同じ大きさの人形の君。でも目を入れられることはなかった。
材料がないとかそういう問題じゃない。目を入れる前に友が亡くなってしまったからだ。
ぼくに人形作りのノウハウなんてない。
だから君は永遠に未完成のまま……
もし君に意思があれば嘆き悲しんでいるのだろうか。
それともぼくの側にいられて幸せなのだろうか。
どっちなのかはわからないけど、ぼくはずっと君に愛を囁くよ。
美しい君が側にいてぼくは最高に幸せだ……ってね。
僕たちは双子。ちょっと珍しい男女の双子。
いろいろあって世界を旅している。
いろんなところへ行って、いろんなものを見て、僕たちのそれまでの価値観が大きく変わってしまうような体験だってした。
でもそれでも旅が嫌だと思ったことは一度もない。
むしろ楽しくて仕方がない。
それは片割れでもある姉も同意見だ。
誰かの強い思いが僕たちの想像のつかないような出来事を引き出して、そこにいる人々を巻き込みながら結末へと進んでいく。
それがハッピーで終わるのかバッドで終わるのか、はたまたノーマルで終わるのかビターで終わるのか……それは誰にもわからない。
でなければどんでん返しなんて言葉今まで残ってないはず。
ああどうしてこの世界は、ひいては人間はこんなにも面白いんだろう!
次の町はどんなことが待っているのかな?
今からワクワクが止まらないや!