目を閉じて椅子に座っている君はとても美しい。
あわよくばその目を開いた君も見てみたいけれど、それは叶わぬ願いというものだろう。
なぜなら君は人形だから。
ぼくが一人でも寂しくないように、と友が作ってくれた、人間と同じ大きさの人形の君。でも目を入れられることはなかった。
材料がないとかそういう問題じゃない。目を入れる前に友が亡くなってしまったからだ。
ぼくに人形作りのノウハウなんてない。
だから君は永遠に未完成のまま……
もし君に意思があれば嘆き悲しんでいるのだろうか。
それともぼくの側にいられて幸せなのだろうか。
どっちなのかはわからないけど、ぼくはずっと君に愛を囁くよ。
美しい君が側にいてぼくは最高に幸せだ……ってね。
6/10/2025, 2:16:17 PM