今は一人きりで歩くこの道。
遠い町へ行ってしまった友達といつも一緒に歩いた道。
昨日、その友達から初めての手紙が届いた。水玉模様の可愛い手紙。
だから私も可愛い手紙を買いに行くの。
当たり前のように側にいた友達がいなくなったのは寂しいけど、一人でも頑張らなきゃ。
いつか向かい風も暗い夜も味方にしていくくらいの気持ちで私は歩いていく。
君と歩いた道も、知らない道も、一人きりで。
§
元ネタ……というか題材にしたのは『水玉』という歌です。
『天才て◯びくんMAX 水玉』で検索すれば上位に出てきます。
いい歌なので良かったらぜひ聴いてみてください。
推しについて熱く語っている彼女の瞳は、まるで夢見る少女のようにキラキラと輝いている。
その彼女を見るのは可愛いし、別にいいんだけど……
それでも彼女の推しに負けてる気がして少しモヤモヤする。
彼女は僕のことが一番好きだってことはわかってる。
でも僕にこんな顔も瞳もあんまり見せないから、その推しの人にちょっと嫉妬めいたものを感じてしまう。
だけど彼女の話は笑顔で聞いてあげたい……と悶々としていると、彼女は話をやめておもむろに僕の耳元に顔を近づけた。
そして愛の言葉を囁いてにこりとほほえむ。その時のほっぺが少し赤くなっていたから、きっと彼女は僕の様子がおかしいのに気づいて言ってくれたのかもしれない。
普段こんな言葉滅多に聞かないから……!
僕は彼女を抱きしめて目一杯の愛の言葉を伝える。
彼女は恥ずかしそうに顔を両手で覆って耳まで真っ赤になっていた。
彼女には敵わないし、やっぱり可愛いなあ。
旅は楽しいものだけど、それだけでもない。
辛い出来事や悲しい別れもあれば、小躍りしてしまいそうなほどに嬉しい便りやつい笑ってしまうくらいにほほえましい場面に遭遇することもある。
それらをひっくるめて旅の醍醐味とも言うのだろうけど、俺はそんな言葉で片付けたくない。
俺にとって旅とは日常であり人生のスパイスだ。……とか言うとチープでありきたり過ぎるとか言われると思うが、実際そう感じているのだから仕方がない。
帰る故郷もない、待ってる人もいない根無し草の俺にできることは精々旅を続けることだけ。
いつかどこかの町か村かに腰を落ち着けることもあるだろうが、今しばらくはこのままがいい。
……ああ、汽笛が聞こえる。船が来たんだな。
さあ行こうか。まだ見ぬ景色を見るために。
水たまりに映る空の色は青色だったりオレンジ色だったり灰色だったり黒色だったりと様々。
いろんな色を映し出す水たまりだけど、一番長く映し出している色は青と黒どっちだろう?
夏は青色な気がするけど、冬は黒色な気もする。
気にはなるけど、一年中存在する水たまりを探す方が大変そうだから調べるのはやめておこう。
それと人工的に水たまりを作るのは水道代も水ももったいないからやめておこう。
ずっと気になってる人がいる。
その人の為ならば、あたしはどんなことだってやってやる。
あの人の幸せや笑顔を守るためなら誰かを傷つけることも、普通ならやってはいけない悪いこともやる覚悟はできている。
だけど今はできない。あの人に気づかれてしまうから。
だからいつかきっと、あたしのウデに磨きがかかって誰にも気取られないようになったら、あたしはあの人の影になってあの人を守る。そう決めてるの。
この感情は恋か、愛か、それとも執着かはどうでもいい。
あたしはあたしのやりたいことをやる。
それだけでいいじゃない。