バスクララ

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推しについて熱く語っている彼女の瞳は、まるで夢見る少女のようにキラキラと輝いている。
その彼女を見るのは可愛いし、別にいいんだけど……
それでも彼女の推しに負けてる気がして少しモヤモヤする。
彼女は僕のことが一番好きだってことはわかってる。
でも僕にこんな顔も瞳もあんまり見せないから、その推しの人にちょっと嫉妬めいたものを感じてしまう。
だけど彼女の話は笑顔で聞いてあげたい……と悶々としていると、彼女は話をやめておもむろに僕の耳元に顔を近づけた。
そして愛の言葉を囁いてにこりとほほえむ。その時のほっぺが少し赤くなっていたから、きっと彼女は僕の様子がおかしいのに気づいて言ってくれたのかもしれない。
普段こんな言葉滅多に聞かないから……!
僕は彼女を抱きしめて目一杯の愛の言葉を伝える。
彼女は恥ずかしそうに顔を両手で覆って耳まで真っ赤になっていた。
彼女には敵わないし、やっぱり可愛いなあ。

6/7/2025, 11:33:30 PM