天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは────
僕はずっとずっと、大好きなあの子に話したいことがあった。
鳥の鳴き声で人々が目を覚まし、出勤していくこの時間。
僕は、彼女に話し始めた。
ずっとずっと迷っていて、昨日の夜も眠れなかった。そして、彼女にこのことを話さないと僕は僕は───
「今日の夜ご飯、何がいい?」
彼女から返答がないと夜ご飯を作るときに迷ってしまう……!!!
彼女はさっきまで、今日の天気いいねなどとのんきに話していた。しかし、僕の此花市の重大さに気づいたのか、真剣な顔になった。
そして彼女は口を開き、
「なんでもいいよ。」
と言った。
終わった........
ただ、必死に逃げる私。なにかから逃げるように──
私は、黒いなにかに追われていた。その黒いなにかからは小学生の頃によく聞いた目上の人の声が聞こえてきていた。
その声が恐ろしい訳では無いが、その声が私に授けてくる物は、できれば避けたいものな気がした。だから私は走った。
しかし、家に逃げ込んでしまった私はそれから逃れることができなくなってしまった。
「ごめんね」
泣きながら言う。
「大丈夫。」
にカッと笑いながら言う。
そして二人とも笑える。
ごめんねは魔法の言葉。
自分の謝罪の気持ちを、一番簡単に、一番心を込めて伝えることができる言葉。
そして、もう一回二人で笑って過ごせる日を迎えることができる言葉。
半袖
僕は寒い間、ずっとずっと木の箱の奥にしまわれている。
そしてその箱の中が熱くなってくると僕は外の景色を見ることができる。
僕がご主人さまと一緒に外に出ている時、僕はだんだん濡れてくる。でも、僕がびしょびしょになってるおかげでご主人さまは快適にその暑い日を過ごせているらしい。僕からしたら迷惑でしかないけど…
涼しくなってくると、僕はまた、木の箱にしまわれてしまう。それも、奥底に。
そして僕は、また暑くなるのをずっとずっと待つ。
天国と地獄。
ネットとリアル