月に願いを。
私は、毎日月を眺め、それから布団に入る。
全部同じ月に見えると言う人もいる。
でも、私は全部違うモノに見える。
小さい子供、大人、誰しもが夢を持っている。
そして、その夢を叶えたらどんな自分になっているか、それを考えながら眠りにつく。
そして、すべての願いが月に届く。
私はその願いを見ることができる。
だから、毎日月を眺めているのだ。
なんの夢もない、したいこともない。
そんな私の人生に意味を持たせてくれたのが、この能力だ。
誰かの夢を見て、その夢を私が叶える。こんな夢を持つことができたのだ。
私からしたらこの夢はとても素敵なものだ。
私は、この夢を叶えるためにいまを生きている。
月に願いを届けた人にためになると信じて───
いつまでも降り止まない雨はない。
そう思ってた─────
外を見ると、雨が降っていた。
音はないし、寒くもない。でも、雨が降っていた。
いや、正確には降らせていただけだった。
いつも自分で雨を降らせて、部屋に閉じこもって、迷惑をかけて、
誰かを笑顔にさせる事はできなくて。
誰かが言っていた、いつまでも止まない雨はないと。
僕はわかっていた、いつまでも降り止まないものだと。
この雨はいつまでも降り止まなかった。
どれだけ部屋にこもっても、雨が弱まることはあったが、降り止まなかった。
でも、僕に傘をさしてくれた人がいた。
その人に傘をさしてもらいながら、僕は外に出た。
初めて外に出ることができたような気がした。
『 あの頃の不安だった私へ
私、お元気ですか。
あの時は不安で、未来も見えなくって、ずっと暗闇の中をさまよっていましたね。
今の私は、光の中をすすむことができています。
あなたがいなければ、今の私も光が見えないまま生きることになっていたでしょう。ありがとうございました。
大好きでした。』
朝起きると、そう書かれた手紙が枕元にあった。
そして、私も手紙を書くことにした
『幸せな私へ────』
逃れられない呪縛
学校、仕事、これらは一生逃れることのできない呪縛だ。
小さな頃は学校に行かされ、将来役に立つかどうか分からないものまで教えられる。
大人になったら仕事をせざる得なくなり、平日は仕事場という名の首輪に繋がれる。
これが逃れられない呪縛だ。
昨日へのさようなら。
1日が終わったら、その日のことは忘れるようにしている。
だって、思い出すとつらくなるから。
明日に向けて、明日したいこと、明日しなければいけいとこと。それらを考えて眠りにつく。
だって、明日が来るのが怖くなっちゃうから。
月が沈み、太陽が顔を見せたころ、私は明日と出会う。
ソノ頃には恐怖もなくなっており、希望だけが見えている。