いつまでも降り止まない雨はない。
そう思ってた─────
外を見ると、雨が降っていた。
音はないし、寒くもない。でも、雨が降っていた。
いや、正確には降らせていただけだった。
いつも自分で雨を降らせて、部屋に閉じこもって、迷惑をかけて、
誰かを笑顔にさせる事はできなくて。
誰かが言っていた、いつまでも止まない雨はないと。
僕はわかっていた、いつまでも降り止まないものだと。
この雨はいつまでも降り止まなかった。
どれだけ部屋にこもっても、雨が弱まることはあったが、降り止まなかった。
でも、僕に傘をさしてくれた人がいた。
その人に傘をさしてもらいながら、僕は外に出た。
初めて外に出ることができたような気がした。
5/25/2023, 10:11:59 AM