あなたと見たあの大きなクリスマスツリー。
あなたと歩いたこのイルミネーションが照らす道。
私の冷たい手を包み込むあなたの大きな手を、
こんなにも温かいと感じたのは初めてだった。
私の先を歩くあなたの逞しい背中に、
これほど安心したのはいつぶりだろう。
その瞳に私だけを映し出して、
私のことだけを考えて微笑むあなたを、
私は久しぶりに思い出した。
やっぱり、ずるい人ね。
少年のようなその無邪気な笑顔で、
一体いくつの嘘を無かったことにするの?
何もかも忘れさせてしまうような優しい手つきの裏に、
一体どれほどの闇を隠しているの?
私を惨めにさせるのが得意なあなたは、
私を喜ばせるのも上手ね。
だから私はいまだにあなたを捨てられないのよ。
ねぇ、私たちみんなからはきっと
普通の幸せそうな恋人に見えるんでしょうね。
それならいっそこの聖なる夜くらい、
みんなのように私のことも騙して。
本物の恋人にはなれないんでしょ?
こんなにも特別な日にかぎってあなたは、
私に口付けすらしないものね。
___イブの夜
知ってるよ。
君と見る空が1番綺麗だってこと。
晴れじゃなくたっていいの。
満天の星なんて見えなくたっていいの。
君が私のそばにいてくれるなら、それだけで充分だから。
空が映し出すのは、いつも幸せなものとは限らない。
だけど君のことを考えながら見る空はいつも、
私を優しく包み込んでくれるのよ。
たとえ離れていても、
見上げたこの空を君も同じように見ているなら、
私たちはどこかで繋がっている気がするの。
ほら見て、今日はいい天気ね。
___大空
あなたといると寂しいの。
自分勝手に私を呼びつけて甘い嘘で弄んで、
そうやって私を手の上で踊らせていい気になって。
どうしていつもあなたの願いしか叶わないの。
私は側にもいてくれないあなたのことばかり考えて、
馬鹿みたいじゃない。
ねぇ、やるだけやったら私はもういらない?
いつもほったらかしなのに、
こんな時までそばにいてくれないの?
こんな暗い部屋に私を1人残して、一体どこに行くの?
分かってるよ、
寂しいって引き止めたらまた"ごめんね"って言うんでしょ。
苦しいのは私なのに、
泣きたいのは私なのに、
自分が1番辛いなんて顔しないでよ。
お願い、置いていかないで…。
___寂しさ
人の温もりが恋しくなる冬。
無条件に君のことを思い出してしまう季節。
私が欲しいのは君からの愛だけ。
私が望んでいるのは君の特別になることだけ。
不安にならないで。
いつだって君は私の特別なんだから。
たとえどんな人だったとしても、
私にとって1番輝いているのは君なんだから。
ほら、笑って。
君の笑顔が世界で1番かっこいいのよ。
私を忘れていてもいい、
またいつか初めからやり直そう。
もう一度出会い直して、
そしたら今度こそ君の隣にいさせてね。
___冬は一緒に
君のいる毎日が、君という存在が、
私にとってどれほど大切なものだったか。
君はきっと知らないし、あの時の私も知らなかった。
奇跡のような出会いはいつしか偶然になっていって、
平凡な幸せは目の前の大きな期待に隠されてしまう。
失って初めてその価値に気づく、愚かで欲深い人の本能。
それでも後悔を重ねて人は強くなっていくんだと、
君の存在が気づかせてくれた。
あまりに弱くて情けない私を、
変えてくれたのはいつも君だったから。
特別なことなんかなくても、
ただ君が側にいてくれたことが何より幸せであったこと。
きっと今この瞬間も、
後で振り返った時かけがけのない時間だったと気づく。
だから私は、この平凡な毎日を大切にしようと思った。
当たり前のように誰かと、
とりとめもない話ができるこの日々を。
一分一秒余すことなく、
私にとってかけがえのない時間だから。
___とりとめもない話