すい

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5/20/2025, 5:52:34 AM


君のいない明日など来なければいいと、何度も願った。

君を想って泣いた夜を何度もこえて、
君のいた日々に苦しんだいくつもの朝を迎えて、

気づけばそうやってしか君を思い出せなくなった。


私と違って自信に溢れてて、でも私と同じように愚かで。

弱い、ゆえに私達は卑怯でずるかった。

自分達だけが楽に自由に息ができる場所を好んで、
幾度となく他人を振り回し裏切り背を向けてきた。


芯の部分が似たもの同士、
君の気持ちは痛いほど理解できた。

だからどうしても、嫌いにならなきゃいけなかった。

どうしても、捨てなきゃいけなかった。


どうしたって、側にはいられなかった。



                  ___どうしても、

5/18/2025, 12:33:19 PM

まって、無視しないで。

まって、いや、捨てないで。

ねぇまって、もう置いていかないで。


呆れるくらい何度も呼び止めた。

おかしくなるくらいその名前を呼んだ。


一度も振り返らない背中に手を伸ばして、

あなたの足跡だけを泣きながら追いかけて、

その冷たい言葉と視線に何度も心を八つ裂きにされた。

そこまで堕ちてもあなただけは失いたくなかった


それなのに、
戻ってきたあなたは声と顔が同じなだけの別人。

あなただけはあの頃のまま、変わってほしくなかった。


ねぇ、私が好きだったのはあなたじゃないわ。



                     ___まって

5/13/2025, 5:17:10 AM


ただ君だけを想って、君だけのために生きて、

だから私が望んだ未来には君がいなきゃダメだった。


どれほど哀れで愚かな恋でも、

それが私の世界の全てだったから。


君のためならどんな嘘もつける。

君を手に入れられるならどこまでも最低になれる。


誰かを裏切って傷つけてでも、君だけは失いたくないの。


君だけは、私の理想のままでいてよ。



                   ___ただ君だけ

4/30/2025, 2:29:46 PM


私の1番の理解者であり、1番の味方だったあなた。

いつだって冷静で理論的で、だから人の感情には鈍感で。

でも、不器用ながら誰より私に優しい人だった。


私はあなたを、好きになりきれなかったの。

あの人を捨てることができるほどの深い愛を持てなかった。

あなたの側で生きるのは心地が良くて楽しくて、

でも安心の奥底にあった迷いをいつも消せなかった。

心のどこかであなたに妥協し続けて、
それは時々不満として降り積もっていった。

あなたと描いた幸せは、私の小さな妥協の上にあった。



私の1番の理想であり、1番輝いていた君。

素っ気なくて自分本位で、だからどこまでもずるくなれて。

でも、今も昔も誰より私を魅了した人だった。


私は君を、嫌いになれなかったの。

他の誰かを不幸にすると分かっていても止められなかった。

君の存在ほど私の心を揺さぶるものはなくて、
何をされても恨むことすらできなかった。

私を泣かすのはいつも君だったのに、
私に前を向かせるのも君だったから。

多才で見た目のいい君は、いつだって私の自慢だった。

君と描いた幸せは、私の小さな欲と我慢の上にあった。



人が持つ最も強くて、最も愚かな感情。

誰かの不幸の上に成り立つ、決して誰も抗えない欲。


私を最低な人間にしたのも、
あなたを泣かせ傷つけたのも、
君を弱くしずるくするのも、

愛なんていう愚かな幻のせい。



         ___好きになれない、嫌いになれない

4/29/2025, 1:10:51 PM


夜が明けた。

あなたのいない朝がやってきた。


私はあなたより長年恋焦がれてきた、
心の片隅に居座り続けたあの人からの誘いを優先した。

私のことを誰より理解して好きでいてくれるあなたと、
私を何度も捨てた私の世界の全てだったあの人。

汚い欲だった、愚かな期待だった。

そんなもののために、私はあなたを裏切ってしまった。


私はまた、大切なものを失った。


"えらいね"って"すごいよ"って。

そうやってあなただけはいつも、
私の無謀な夢も先の見えない未来も応援してくれたのに。

どん底にいる私に手を差し伸べて、
望む選択肢も与えてくれて。

そうやって淡白な態度の裏であなたはいつだって、
私を肯定して味方でいてくれたのに。
 

私の不幸に心を痛めて私のために泣いてくれた人を、
一緒に幸せになろうと誓った人を、

こんなにも簡単に傷つけてしまえた。


好きだったのに。

あなたとの幸せな未来なら簡単に想像できるくらい、
何年話していてもそばにいたいと思えるくらい、

本当に好きだったの。


あなたからの当たり前の愛、当たり前にやってくる明日。

一緒に生きていく未来も当然、やってくるんだと思ってた。


ごめんね、私は泣くべきじゃないね。

弱く愚かでずるい私は、
こうやって失うことでしか気づけなかった。


夜が明けた。

生きていくための希望を失ったのだと、後悔した。



                   ___夜が明けた

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