るあん

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9/10/2022, 10:28:58 AM

「大丈夫?目を覚ましてよかった」
「あの……誰…ですか……」

一瞬悲しそうな顔をしたベットの横に座っている女性

「急に倒れて病院に運ばれたんだよ。覚えてない?」
「すみません。覚えてないです」

何も覚えてないんだ。自分が誰なのか。その女性は誰なのか。何も分からない…けど、なんだろう。この喪失感は……忘れちゃいけない何かを忘れているような……

女性は色んな話をしてくれた。面白かった映画の話や綺麗な景色がある場所など。話してるうちに女性のことを気になるようになってきた。

そんなある日、女性は彼氏がいるんだと教えてくれた。とても悲しそうな顔をしながら教えてくれた。

この時この人の隣に立つことが出来ないとわかった。

「彼氏がいるなら、ここにいるべきじゃない。彼氏のところに行きなよ」
「会えないんだ。会っても会ってる感じがしないんだ。他人みたいな感じって言えばいいのかな」

思い出して欲しいなって呟きながら悲しそうな顔をした。自分ならそんなこと顔させないのにな……

「ねぇ。本当に何も覚えてないの?……思い出してよ。あなたは私の彼氏なんだよ…」

泣きながら言われた。その時だった。全て思い出した。あぁ。こんな顔させてたのは自分だったのか……こんな俺を好きのままでいてくれたのか

「全部思い出した。ごめんな。こんな俺を好きになったばかりに辛い思いさせて。好きのままでいてくれてありがとう」

決めたんだ。絶対に忘れてはいけない。こんな女性を忘れるなんてことは今後あってはならないんだと。
病院で感じた喪失感は、このとこだったんだ。

9/1/2022, 12:49:04 PM

彼氏との別れ話になった。

理由は些細なすれ違いで起こった喧嘩だった。喧嘩別れなんて、毎回の事だったのに、なぜかこの人とは、別れなくない

彼は別れたいと思ってる。話が合わない。妥協し合うこともしたけど、無理だった。

LINEは、文字が出ないように通知設定をしてる。
彼からのLINEだ。別れ話だったらどうしよう。でも、謝らないといけないところは自分にもある。だから開かないといけないはずのLINEが開けない。

開けないLINE。勇気を出さなきゃ。。自分のためにも、彼のためにも、、、、、

8/31/2022, 2:31:37 PM

僕は不完全だ。

何をするにも中途半端で終わってしまう。恋愛だって。勉強だって。。

先生には「完璧に終わらせてきて。これでは十分じゃない」
親には「どうして完全に終わらすことが出来ないの」

僕は完璧に終わらせてきたつもりだった。自己満足でしかなかった。

みんなから褒めて欲しかった。『頑張ったね』って言って欲しかった。それでも言われる言葉は『不完全だ』『中途半端だ』『しっかりやってよ』
僕はそんな言葉欲しくない。

“完璧にしなくちゃ”

思えば思うほど完璧に出来ない。先生や友達から期待されなくなっていった。親からも。。

僕は不完全だ。親からも期待されない。欠陥品だ。。。。

8/30/2022, 2:06:48 PM

僕は昔から香水が嫌いだった。

父が再婚を繰り返し、色んな女性が母になった。最初は優しかったはずがいつからか僕に当たりが強くなった。父の再婚相手は、香水を身に纏っていた。

(あぁ、この人もまたみんなと同じ、僕に当たりが強くなるんだろな)
信用したら、心を許したら、いつか痛い目を見るんだ。絶対に、心を許していけない。。。

僕はいつからかそう思うようになって、人間不信になって行った。父にはもちろんこの事は言えない。心配をかけたくない。自分のプライドがそれを許さなかった。

父の再婚相手が僕の名前を呼ぶ。ご飯の時間だ。料理はとても美味しんだ。僕の実の母の味と似ている。懐かしくなる。寂しさが込み上げてくる。悟られてはいけない。そこに付け入られてはダメなんだ。。。。ダメなんだ。ポロ……ポロ……

「大丈夫?不味かった?作り直す?」

違うんだ。ただ。懐かしさと寂しさと不安と色んな感情が混じりあって涙が溢れてきただけなんだ。

信じちゃダメなのに…心を許してはダメなのに…この人なら大丈夫だろうと心のどこかで思っていた自分がいる。この人の匂いは好きだ。なぜか安心出来る。


僕は香水が好きだ。母がつけている香水が好きだ

8/29/2022, 2:10:50 PM

俺が小2の頃、父と母が離婚して、18の今日まで母子家庭で育った。母が朝早くに仕事に行っては夜遅くに帰ってくる。そんな毎日が続いていた。

ある日、母は過労と寝不足で仕事中に倒れた。病院に運ばれたと連絡が来て、俺はすぐに病院に向かった。母はまだ目が覚めていなかった。俺はすごく後悔した。倒れるまで母の体調を気づかなかった俺が憎かった。悔しかった。

思い返してみると母は、1度も弱音を吐いたことが無かった。それよりも、「苦労させてごめんね」
「学生時代を楽しませてやれなくてごめんね」と言うばかりだった。母は『ごめんね』が口癖のように毎日、会う度に言っていた。

俺は俺なりに母の手助けになるようにと、家事は全てこなした。それでも母から聞く言葉は『ごめんね』俺はそんな言葉はいらない、ただ『ありがとう』が聞きたかっただけなんだ。




何も言わずにいかないでよ。。。。母さん。。。。。

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