神様が言った。
一つだけ願いが叶うとしたら、何を願いますか?
「過去に戻って、自分の未来を変えたい」
そう答えた。
タイムリープして、この行き詰まった人生をどうにかしたい。
未来を変えても…
「人間性の問題だったら、あなたまた同じように自分より他人を優先しちゃうんじゃない?」
それはあなたの周りの人間が入れ替わるだけで、何も変わらないんじゃないの?
「嫌みなこと言うなよ、神様だろ。前世で生きづらかったから、死んでからは大優勝とかそんな大器晩成嫌だからな。」
「わかってる。わかってるって。でもちゃんといい席用意してあるから。喜ぶがよい。VIP待遇だぞ。」
「これは喜んでいいのか?どうせそんなこと聞いておいて、願いなんか叶える気ないだろ。」
神様は白々しく、目を反らした。
「大丈夫だよ、あなたは今が辛いだけだ。そのうち良くなる。もれなく死後の安泰も確定だ。」
「そのうちっていつだよ。」
「この後直ぐかもしれないし。一週間後かも、1年先かも。そのうちだよそのうち。頑張って。」
「もー頑張れません。」
「そう言っても、頑張るんだから。応援してるからな。」
「はい。はい。」
その一ヶ月後、その知らせはやってきた。
「書いた小説、重版されるってよ。しかもアニメ化も。」
「未来変えなくて良かった。」そう思うのだった。
※たまにはフィクションも。
新年度の始まりの日。
その裏では、嘘をついていい日。
なんか変だよねぇ。
「嘘でした〜」って友達に冗談を言うことも正直何が楽しいのかわからなかった。
イースターもハロウィンもクリスマスも、異国情緒溢れる祭りは大好きだ。
でも正式な意味は知らない。
嘘をついたことがない人間なんかほぼいないと思う。
嘘で塗り固めたハリボテの人もいるだろうし、相手を傷つけたくないから咄嗟につく嘘もあるだろう。
それに嘘をついたことがないという嘘をつく人もいるさ。
プライドって厄介なもんを持ち合わせるものだから、知りあいに御曹司キャラを一生懸命作ってる人がいるけど。あまりにもぶっ飛んだ話は子供の話を聞いているようで、内心冷ややかに見てしまう。
承認欲求を求め過ぎる、成れの果て。
嘘の称賛なんて仮初めの幸せ。ほんの一瞬のね。
その人は毎日がエイプリルフールみたいなもんなのかな。
だとしたら、私は疲れる行事だなと思う。
あとアプリに流れる嘘の広告もね。
毎日楽しくて、幸せしかないんだよね。
嫌なことなんか全然起きないし。
周りの人も良い人ばっかりだし、人間関係も良好。
好きな仕事して、趣味にも没頭できて。
1日に終わりに今日も幸せだった。って乾杯する。
ゆっくりお風呂入って、YouTube流しながらリラックスして。ベッドに入れば熟睡できる。
って言ってみてぇーーー。
今の自分には理想の高めのハッピーエンドだな。
真逆の社畜社会人、毎日がバットエンドってわけでもないけど。
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気がつくと視線の先にいる。
ずっと見ていたい。
いや。見ているより、側にいたい。なのか。
「…食べてるところ、見られるの恥ずかしい」
彼女は少し眉を吊り上げた。
「み、見てました?」
僕は慌てて取り繕う。
「…ちょっと気になっただけ。」
「食事に集中出来ませんよね。」
「いや、違う。そんな意味じゃなくて。」
何で素直になれないのだろう。
「…味ですか?口に合わなかった?」
「…そんなことない、めっちゃ美味しいよ」
一瞬、気まずい。
お互いに目を反らした。
再び顔を上げる、タイミングはほぼ同時だった。
お互いに見つめる視線の先にお互いがいる。
恥ずかしい。でも嬉しい。
二人で思わず吹き出して笑ってしまった。
なんて初々しいんだろう。
私のハート、防弾ガラスで出来てると思ってた。
最初は小さな傷も大丈夫、大丈夫と受け流してた。
何度も何度も小さな傷が重なって、いつの間にか
大きくひび割れてきた。
感情が揺さぶられる度に、ミシミシと音をたてる
その度に少しずつ欠片が落ちるようになった。
漠然とした不安と不満。脱力感。
時々不安過ぎて、逃げたくて。死にたくなる。
死んでしまった友人に申し訳ないと口で言いながら。
愚かだとわかっていても、思考が止まらない。
私自身がこの感情の名前が何なのかわからずにいる。