神様が言った。
一つだけ願いが叶うとしたら、何を願いますか?
「過去に戻って、自分の未来を変えたい」
そう答えた。
タイムリープして、この行き詰まった人生をどうにかしたい。
未来を変えても…
「人間性の問題だったら、あなたまた同じように自分より他人を優先しちゃうんじゃない?」
それはあなたの周りの人間が入れ替わるだけで、何も変わらないんじゃないの?
「嫌みなこと言うなよ、神様だろ。前世で生きづらかったから、死んでからは大優勝とかそんな大器晩成嫌だからな。」
「わかってる。わかってるって。でもちゃんといい席用意してあるから。喜ぶがよい。VIP待遇だぞ。」
「これは喜んでいいのか?どうせそんなこと聞いておいて、願いなんか叶える気ないだろ。」
神様は白々しく、目を反らした。
「大丈夫だよ、あなたは今が辛いだけだ。そのうち良くなる。もれなく死後の安泰も確定だ。」
「そのうちっていつだよ。」
「この後直ぐかもしれないし。一週間後かも、1年先かも。そのうちだよそのうち。頑張って。」
「もー頑張れません。」
「そう言っても、頑張るんだから。応援してるからな。」
「はい。はい。」
その一ヶ月後、その知らせはやってきた。
「書いた小説、重版されるってよ。しかもアニメ化も。」
「未来変えなくて良かった。」そう思うのだった。
※たまにはフィクションも。
4/3/2024, 11:54:14 AM