【ココロ】
古びた研究所
そこが私の生まれた場所
孤独な科学者によって
私は作られた
“心を持ったアンドロイドを作る”
科学者はそれを掲げ、研究に勤しんだ
しかし、突如としてその研究は打ち切られた
それでも尚、研究を続ける科学者の熱量に
ついていけなくなった者たちが
1人また1人と科学者の元を去っていく
科学者はそれを気に求めず
どんどん研究にのめり込んで行った
科学者はその生涯をかけて
一体のアンドロイドを完成させた
その出来栄えは“奇跡”とも言えるものだった
しかし、“ココロ”のプログラムをアンドロイドに
ダウンロードする前に科学者はその生涯に
幕を閉じてしまった
研究所に残ったのは“ココロ”というプログラムと
奇跡と呼ばれたアンドロイドのみ
このまま朽ち果てるのならばと
アンドロイドは願った
‘あの人が命の終わりまで
私に作っていた“ココロ”を知りたい’と
そして、なんの因果か
本当にアンドロイドに“ココロ”が宿った
私は知った
喜び、怒り、悲しみ、楽しみ
なんて、深く切ないのだろう
アンドロイドは歌った
科学者への感謝を
全ての思いを歌い続けた
しかし、いくら“奇跡”と呼ばれたアンドロイドだった
としても、その機械の体は“ココロ”の重さに
耐え切ることはできなかった
“ココロ”はあまりにも大き過ぎたのだ
アンドロイドは壊れ、二度と動くことはなかった
その微笑みはまるで天使の様だった
参考:『ココロ』
作詞・作曲:トラボルタ
【星に願って】
夜、空を見上げて
心の中で願う
“亡くなった者は星になり
大切な人たちを見守ってくれている”
昔からある、言い伝え
昔は「馬鹿げてる」とか
「どうでも良い」とか
思っていたのに
今では「あの星はあいつかな?」
「あれは、あの子かな?」
なんて、思ってしまう自分がいる
本当にあの星たちが亡くなったあいつらなら
お前らの見れなかった明日を
日々を精一杯生きるから
いつか、そっちに行ったら
沢山の思い出話を持って行くから
それまでどうか「あいつら馬鹿だなぁ」とか
言いながら見守ってくれ
【遠く…】
君は俺のライバルだった
同じ日に始めた俺と君
でも、伸び悩んでスランプに陥った俺と違って
君はどこまでも伸び伸びとしていた
そんな君に嫉妬したこともあった
何度も何度も君に挑んではその度に負けた
やっぱり、君は最高のライバルだ
君の背中はどこまでも遠い
それでも、その背中を追いかけることをやめられない
いつか、君に勝つために
君にライバルと認めてもらうために
ある日突然、君は俺の前から消えた
その時初めて知った
君がいじめに遭っていたこと
そんなこと俺は知らなかった
あんなにも君の近くにいたのに
それに気付くことができなかった
『勝手に(行・逝)くなよ…
勝ち逃げなんてずりぃじゃん
俺、もっとお前と試合したかった…
お前にライバルだって認めて欲しかった…
なんで、俺に相談してくれなかったんだよ
…気付けなくてごめん、ごめんな…』
いつか、そっちに行ったら
君が諦めたその先の話を俺が君にしてあげる
そしたら、また勝負しような
今度こそ、決着をつけてやる
だから、せいぜい俺に負けない様
練習しておくんだな
遠くへ(行・逝)った君へ
【誰も知らない秘密】
人は誰しも秘密を抱えて生きている
親しい人にだけ教える秘密
家族だけが知っている秘密
自分だけが知っている
誰にも言えない
誰も知らない秘密
まだ、貴方にも言えない秘密
もしかしたら死ぬまで隠し続けるかも知れない
もしかしたらその後も誰にも知られず
消えてゆくかも知れない
いつか、誰かにバレるかも知れない
いつか、誰かに話す日が来るかも知れない
それでも、この秘密を抱えて
これからも生きていきたい
【heart to heart】
貴方と私は違うから
価値観も
育った環境も
何にお向きを置いているかも
何もかも違う
だからこそ心と心を通わせて
自分の価値観を
己の意見を
相手と擦り合わせていかなければいけない
決して、その人を否定してはいけない
なぜ、相手はそう思うのか
なぜ、自分はそう思ったのか
自分を理解し
心を開いて
あるがままを受け入れる
そうすれば、お互いがお互いを
理解し合える関係になれるのではないか