シン

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2/4/2025, 12:50:40 PM

【永遠の花束】
あなたが花束をくれた
色とりどりの花が咲き誇っている

ふと、花屋の前であれこれ悩んで
色とりどりの花の中から
あなたが選んで花束にしてもらったのだと
思ったら、なんだか嬉しくてたまらない

花はいずれ枯れてしまうけど
あなたのくれた花束の数々は
きっと心の中で決して色褪せず
永遠に咲き乱れている

2/3/2025, 1:16:10 PM

【やさしくしないで】
やさしくしないで
今が辛いと
苦しいと気づいてしまうから

やさしくしないで
周りを攻撃し続けないと
自分を守ることもできないから

やさしくしないで
自分が可哀想な人間だと気づいてしまうから

やさしくしないで
日陰で生きる者は陽だまりでは消えてしまうから


本当は
やさしくされて嬉しかった
陽だまりの中で生きていても良いんだと思えたから
今が当たり前ではないと気づくことができたから
ほんの少しだけでも幸せだったから

でも、それを知ってしまったから
それに気づいてしまったから
これまでの日々に戻ってしまうことが
あの日に戻ってしまうことが怖くてたまらない

こんなことなら一生知らないでいたかった…

2/2/2025, 2:01:41 PM

【隠された手紙】
今日もお爺さんの本棚から本を取って読む
お爺ちゃんが亡くなってから
ずっと続けている僕の日課だ
こうしていれば、お爺さんが側にいる様な気がして
心が少し落ち着くんだ

本を読み終え、新しい本に手をかける
カサリ…
本と一緒に何かが落ちた
『なんだろう?』
音のする方に目を向けると足元に紙が落ちていた
紙を開いて見るとそこには
地図の様なものが書かれていた
『これ、お爺さんの宝探しの地図だ!』
両親が忙しい時はいつもお爺さんの家に行って
お爺さんと宝探しをして遊んでもらっていた
だからこそ、僕にはそれが
お爺さんの宝探しの地図だとすぐに分かった

さっそく、宝探しをしてみることにした
地図には色々な場所が記されていた
お爺さんの書斎
戸棚の中
ベッドの下
全て、お爺さんとの思い出の場所だ

そして、目印の場所で古そうな木箱を見つけた
さっそく開けてみることにした
しかし、古そうな木箱の中は空っぽだった
『なんだ、何もないのか、つまんない』
そう言って、僕は木箱を放り投げた
カタンッ…
小さく何かが外れた様な音がした
木箱をよく見ると底が少し外れていて
中に何かを入れられそうなスペースがあった
木箱の底を外して見ると中には手紙が隠されていた

“おめでとう、最後まで楽しんでくれたかな?
 本当はお前さんともっと一緒に遊びたかったが
 ワシももう体にガタが来ていてね
 だから、これが最後の宝探しだ
 宝物は今までの時間と思い出だ
 こんなことでしかお前さんに伝えられない様な
   ワシに最後まで付き合ってくれてありがとう”

『お爺さん…
 僕も、お爺さんとの宝探し
         毎回、楽しみにしていたんだ
     僕こそ、ありがとう…そして、さよなら』

一筋の涙が僕の頬を伝った

2/1/2025, 10:48:55 AM

【バイバイ】
今までたくさんの別れをして来た
その度に少しずつ成長して来た

友達に
嫌なことに
嫌いな自分に
後悔してばかりの日々に
“バイバイ”

まだ知らない君に
初めてのことに
新しい自分に
新たな今日に
“はじめまして”

1/31/2025, 12:49:55 PM

【旅の途中】
旅をする
己を知るために
世界を知るために
大切な人を探すために
我々は旅をする

旅の途中
知りたくないことを知ることもある
心が折れることもある
後悔することもある

いつだって、旅し続ける
いつまでも、旅し続ける

我々は“人生”という名の旅を
これからも旅し続けるのだろう

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