シン

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1/29/2025, 1:11:36 PM

【日陰】
春には舞い散る桜を眺めながら花見をし

夏にはサンサンと照りつける日の中
青々とした葉と共に人々の避暑地となり

秋には赤や黄色といった色とりどりの葉で
鮮やかとなった道と共に人々を喜ばせ

冬にはシンシンと降り積もる雪が
覆い隠してしまわぬ様、人々や植物を守る

我々は昔から日陰と共にある

今はまだ日の目を浴びることができぬが
いつか日向を歩ける日が来る

その日まで今はただじっと堪え忍ぶのみ

1/28/2025, 12:55:52 PM

【帽子かぶって】
朝、寒さで目が覚める
外を見ると雪が積もっていた
夜のうちに降ったのだろうか
今日は出かける予定があるから
寒くない様、沢山着込まないと

服を着替えて
帽子かぶって
手袋はめて
マフラー巻いて
ブーツはいて
これで完璧!

『行って来ます』

1/27/2025, 1:06:26 PM

【小さな勇気】
ぼくは人と話すことが少し苦手なんだ
だからいつも遊んでいるみんなを
少し離れたところから見てるだけ

本当は一緒に遊びたいけど
“「なに、おまえ」「あっちいけ!」”
なんて言われるのが怖いから
ぼくから声をかけるなんてできない

でも今日は少しだけ、ほんの少しだけ勇気を出して
声をかけてみる
『ねぇ、ぼくも…遊んで、いい?』
「もちろん、良いよ」
「一緒に遊ぼう」
『あ、ありがとう』

1/26/2025, 12:49:11 PM

【わぁ!】
これは、僕が幼い頃に体験した
少し不思議な出来事の話だ

僕の両親は共働きでほとんど家に居なかった
だから必然とひとりでお留守番することが多かった
少し寂しかったけどそれでも、この家を守るんだって
思ったらお留守番も苦じゃなかった
両親も僕のそんな気持ちを察していたんだと思う

僕は夏休みの期間だけ祖父母の家に行くことになった
祖父母の家は少し離れたところにある田舎町にあった

夏休みの期間だけとはいえ、お世話になっている
祖父母や両親に花を見せてあげたい
そう思った

それから、手当たり次第に花を探した
けれど、花の一輪も見つけることが出来なかった

少し休憩してからまた探そうと思った矢先
僕の目の前を猫が通り過ぎた

僕はダメ元で猫に尋ねてみた
『ねぇ、どこかきれいな花がある場所知らない?』
猫は少し尻尾をゆらゆら揺らしてから
椅子からトンっと降りて少し進んでから
こちらを振り返った
まるで着いてこいと言っている様だった

獣道を歩いて
草木を掻き分けて
たどり着いた先はどこまでも続く満開の花畑だった
『わぁ!きれ〜!』
思わず口に出てしまった

1/25/2025, 1:41:13 PM

【終わらない物語】
おや、貴方、迷われたのですか?
おっと、驚かせてしまい申し訳ございません

『はい?私は誰か…ですか?』
私はここ“夢の果て”の司書でございます
『夢の果てとは何か…ですか?』
夢の果てはこの場所のことです
ここには世界中から“その人の人生という名の物語”が
集まるのですよ

もし、お急ぎでなければ
少し見て周ってはいかがでしょう

ここには既に完結した物語も
もちろん、まだまだ途中の物語も
永遠に終わらない物語もございます

文体は電子、紙両方ございますので
お好きな方をお取り下さい

私もこの辺りにおりますから
何かございましたらいつでもお声掛け下さい

それでは、ごゆっくりとお楽しみ下さい

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