【わぁ!】
これは、僕が幼い頃に体験した
少し不思議な出来事の話だ
僕の両親は共働きでほとんど家に居なかった
だから必然とひとりでお留守番することが多かった
少し寂しかったけどそれでも、この家を守るんだって
思ったらお留守番も苦じゃなかった
両親も僕のそんな気持ちを察していたんだと思う
僕は夏休みの期間だけ祖父母の家に行くことになった
祖父母の家は少し離れたところにある田舎町にあった
夏休みの期間だけとはいえ、お世話になっている
祖父母や両親に花を見せてあげたい
そう思った
それから、手当たり次第に花を探した
けれど、花の一輪も見つけることが出来なかった
少し休憩してからまた探そうと思った矢先
僕の目の前を猫が通り過ぎた
僕はダメ元で猫に尋ねてみた
『ねぇ、どこかきれいな花がある場所知らない?』
猫は少し尻尾をゆらゆら揺らしてから
椅子からトンっと降りて少し進んでから
こちらを振り返った
まるで着いてこいと言っている様だった
獣道を歩いて
草木を掻き分けて
たどり着いた先はどこまでも続く満開の花畑だった
『わぁ!きれ〜!』
思わず口に出てしまった
1/26/2025, 12:49:11 PM