結生

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8/4/2024, 6:12:51 AM

様々な状況にある人たちの
それぞれの苦悩に関して

「そういうもんだよ、仕方ない」

とか言っちゃえるような人間に
私は なりたくない

8/2/2024, 11:52:53 AM

#9 【病室】

四角い窓に、淡いグレーのカーテンがかかっている。
窓の外はすぐ隣の病棟だから、見えるのは壁ばかり。心癒される景色などはありもしない。

この部屋にいるのは、明日まで。
もう退院が決まっている。

身体にいくつかの傷が増えたが、体調は良くなった。
長かったような、短かったような入院生活が終わる。

昨日退院していった、向かいのベッドは数時間後には跡形もなく片付けられてしまった。今日このあと、新しい患者さんが入るらしい。

退院しても、まだすぐ社会復帰は出来ないので、しばらくは自宅でリハビリ生活になる。
不安や焦りもあるけれど、とりあえず命は永らえたのだからなんとかやっていこう。

天井の白いポツポツとした穴のデザインを眺めながら、ぼくはふーっと小さくため息をついた。

8/2/2024, 3:45:09 AM

手のひらに注がれた水を
こぼすまい、こぼすまいとしても
指の間から滴り落ちてしまうように


あなたの気持ちをつなぎとめようとしても
私にはもうその力がない


7/31/2024, 12:12:29 PM

#8 【だから一人でいたい】


よく知らない人や
気の合わない人といるのは疲れる

相手に気を遣って
自分が消耗してしまう

「ごく親しい人」となら、肩肘張らず威張らず、見栄も張らずに本当の自分でいられるけど

そうでない人にはどの顔でいけば、自分が安全なのかがわからなくてとても困る

だから、そんな苦労をするくらいなら
いっそひとりで居たいんだ

7/30/2024, 2:32:02 PM

#7 【澄んだ瞳】


明るいナッツ色の 君の瞳の中に
ぼくはいつでも ぼく自身をみることができた

あの日
ぼくの腕の中に当たり前のような顔でおさまって
そのまま一通りあたりを観察したあと
こちらを振り返って
チュッとぼくの顔にキスしたね

ぼくは君みたいな子はあんまりタイプじゃなかったのに
あの一瞬ですべて世界が変わってしまった


君みたいに賢くて 美しくて
温かくて 優しい生き物を ぼくは他に知らない

逢いたいよ
いつでもずっと君に逢いたい

あと何日かで 君の誕生日がくるのに
笑ってくれる君がいない

君はいま どこにいるの
どこにいけば 君をもう一度抱きしめられるの
どうすればまた君の匂いを嗅ぐことができるの


答えはみつからない
死は永遠に僕たちを引き離した

ぼくはずっと ずっと この気持ちを抱えたまま生きていくしかない

何度でも熱い涙で頬を濡らすだろう


せめて夢の中だけは

自由に君に逢いたいのに

それすらも叶わない

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