柚葉

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6/20/2023, 10:24:16 AM

あなたがいたから、
もう少し生きてみようと思えた。

あなたがいたから、
この世界に希望の光が見えた気がした。

あなたの笑顔だけで、
どんなことだって頑張れると思えた。

あなたのその声で、
嫌なことも全部忘れられる気がした。

それなのに。

どれだけ手を伸ばしても、触れることはできない。
どんなに頑張っても、あなたの隣は私じゃない。

それでも、あなたが大好きだった。

あなたが生きる意味だと、伝えたら笑うかな。




〜あなたがいたから〜



3/5/2023, 6:42:46 PM

仕事の帰り道、ふと道沿いの花屋が目に留まる。
数多くの花がカラフルに並べられているけれど、
ひとつひとつの花は周りに負けることなく
輝いていて。
そんな姿に惹かれて足が止まった。

たまには…
たまには花でも買ってくか、
今日は記念日でもなんでもないけど。
アイツ、花好きだもんな。

──なにかお探しですか?
「…恋人に贈る花が欲しくて」
口に出して、急に恥ずかしくなった。
何でもない日に花を買っていくなんて。

──丁寧に包まれた花を持って俺は再び帰路に着く。
俺が手に持っているのは、一輪の赤いバラ。
花言葉は【愛情】、彼に送るにはピッタリだ。

喜ぶアイツを想像しながら玄関の扉を開けた。
『おかえり〜!』
「ただいま」
扉が開く音を聞きつけて来たのか、パタパタと近づいてくる彼。
「あの、これ、いつもありがとな」
『わぁ!綺麗なバラだね!急にどうしたの?』
今日記念日だっけ?と彼は首を傾げた。
「いいだろ何もない日だって、たまには。」


〜たまには〜

10/7/2022, 9:46:45 AM

今でもたまに思い出す、彼との日々。
俺たちは本当に仲が良かった。

まさか、こんな形になるなんて
思ってもいなかったけど。

かつて友達と呼んでいた彼。
彼は今───

「どしたの、ぼーっとして」
『んーん。なんでも』

不意に声をかけられはっとする。
"彼"というのは紛れもない、目の前にいるコイツだ。
僕らの関係は今でも続いている。
友達としてではなく、恋人として。



〜過ぎた日を想う〜

9/30/2022, 10:13:14 AM

『…お前、本当は俺の事好きじゃないだろ』

恋人が待つ家に帰り、真っ先に飛び込んできた言葉。
俺は思わず言葉を失った。
そう言い放った彼の目は怒っているようで、
どこか寂しげで。

『最近俺以外の奴とずっと一緒じゃんかお前』

戸惑う俺なんてお構い無しに続ける。
確かにここ最近、
俺だけ友達と遊びに行ってしまうことが続いてた。
…と言っても、家に帰ればずっと一緒なのだけど。
そんな言葉は、生唾と一緒に飲み込んで。

「ごめん。俺が悪かったよ。でも、俺が好きなのは
お前だけだよ」

『…そういうことじゃない』

そう言うと彼は自室に籠ってしまった。

静寂に包まれた部屋に、俺だけが取り残された。

頭が真っ白になった。
大好きな彼に嫌われてしまった。
俺のせいで。俺が自分勝手だったばかりに。

不意にスマホが鳴る。
画面に目を落とせば彼からのメッセージ。
時計を見ればもう何十分も経過していた。

画面にはこう書かれていた。

『ごめん。さすがに言いすぎた』



〜静寂に包まれた部屋〜

9/18/2022, 12:28:47 PM

「俺ね、お前と2人でここ、来たかったんだ。」

ビルの屋上。
涼しい風が頬を撫でる。
無数の人工的な光をぼんやりと見下ろしていた。
隣で景色を眺める彼の手をそっと握る。
ただ何となく、くっついていたかったから。

『今日はありがとな。お前と一緒に居れて、すげぇ楽しかった。』
「んふふ。こちらこそ。」

俺を捉える瞳がなんだか愛おしくて、
ほっぺたにちゅっと唇をつけた。

『なっ…///おまっ…ちょっ…///』

咄嗟に頬を触り、
耳まで真っ赤に染まる彼。

「誰もいないんだから良いでしょ。」
『…っ、そういう問題じゃなくて、俺にも、心の準備とか、あるんだよ、』

焦ってる姿も可愛い。
こんなにも大好きな彼を、
他の誰のものにもしたくなくて。
今度はゆっくり、正面から唇と唇を合わせた。



〜夜景〜

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