柚葉

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「俺ね、お前と2人でここ、来たかったんだ。」

ビルの屋上。
涼しい風が頬を撫でる。
無数の人工的な光をぼんやりと見下ろしていた。
隣で景色を眺める彼の手をそっと握る。
ただ何となく、くっついていたかったから。

『今日はありがとな。お前と一緒に居れて、すげぇ楽しかった。』
「んふふ。こちらこそ。」

俺を捉える瞳がなんだか愛おしくて、
ほっぺたにちゅっと唇をつけた。

『なっ…///おまっ…ちょっ…///』

咄嗟に頬を触り、
耳まで真っ赤に染まる彼。

「誰もいないんだから良いでしょ。」
『…っ、そういう問題じゃなくて、俺にも、心の準備とか、あるんだよ、』

焦ってる姿も可愛い。
こんなにも大好きな彼を、
他の誰のものにもしたくなくて。
今度はゆっくり、正面から唇と唇を合わせた。



〜夜景〜

9/18/2022, 12:28:47 PM