創作)9話
目が覚めた。ここは…病室だ。
少し考えて、ここに居る理由を思い出した。
周りを見渡すと、宗乃さんがベッドの隣に居た。
心配そうな顔をして体をこちらに寄せてくる
宗乃さんを見て、言った言葉。
「流麗との話嘘でしょ。」
宗乃さんは驚いた後、
「そーお。あいつ、私の彼氏とったんだよ」
どういう事かと思い、より真剣に宗乃さんの
話を聞く姿勢に入る。
「流麗って二回転校してるんだけどー、一回目に
転校したときは私が行ってる学校に来て、
流麗がそこに転校して来る前に彼氏が転校しちゃって、
遠距離になったんだけど、流麗がまた転校するって
なった時はその人が行ってる学校に行って、
コソコソ浮気って訳。だから、彼氏脅して
殺して貰った。」
「え。」
と、思わず声をあげてしまった。
「私は貴女の気持ち分からないから失礼なのは
分かってるけど、そ、そこまでする…?」
「そう思うよね。私も浮気だけなら
殺さないけど、あいつって私の親友虐めて
自殺にまで追いやってんじゃん?
で、彼氏もとってるじゃん?
あいつは誰よりも、ずっと愛されちゃ駄目な
存在なの!!!!」
と言う、宗乃さんの声は少し震えている。
流石に言葉が出なかった。そんな話聞いた事ない。
「「何それ、そんな話知らない…」見たいな顔
してるけど、結構ヤバめの隠し事されてて、
それでも親友って言えんの?絶対に許されない過去を
持った人が楽しそうに生きてるの!!お前のせいで!!」
そっか。そうなんだな。
私はこの状況を理解した。
彼女は瓶を持っている。
このまま振りかざされて死ぬのか。
瓶が頭に強く当たって、意識が朦朧としてきた。
「後悔は………してない…筈…」
そんな宗乃さんがとても小さい声で言った独り言が
頭の中で響いた。
これが最後に聞いた宗乃さんの声、最後に聞いた人の声―
END
こんにちは、ののね(仮名)です!(急にすいません
今回のお話はこちらで最終回となりました!!
これまでの様に日は空いてしまうと思いますが、違うジャンルの物語を新しく作っていくつもりです!
出されたお題の言葉をお話の何処かで出していく、と言う本当に合っているのか分からないやり方でやっていますが皆様が面白い!!と思ってくれれば幸いです。
私は中学生ですので、知らない表現がまだまだあります。
沢山勉強して、より、お話の雰囲気が伝わる様に努力していきますので、応援してほしいです。
こちらのお話を最後まで持って行けて本当に良かったです。見て下さった皆様ありがとうございました!!
創作)8話
今日は母の提案で私が宗乃さんの家に向かう事になった。
最初、宗乃さんは必死に断っていたが、
母の圧を感じとったのか、最終的には
「いいですよ…」と言っていた。
外に出ること自体がとても久しぶりでストレスが
溜まっていってるのに、人の家に上がるなんて無理。
元々、人の匂いで吐きそうになるのに、
それで溢れてる場所に行くなんて本当に無理。
でも、他にも心配な事がある。
これからずっと、いつまでも、このままで、
宗乃さんの言っていることが全部嘘だって
分かっているまま、この関係を保つのは
少しモヤモヤする感じがして無理だ。
だから、思い切って………!!
「家、ここなの。どうぞ、入って」
と宗乃さんが言い、
「お邪魔します」
と言いながら入っていった部屋を見てびっくりした。
宗乃さんは以前、こう言っていた。
「流麗とは遊園地や水族館、動物園など色々な場所に
行っていて、その度にお揃いでぬいぐるみを買ってて…
全部が思い出の品なので部屋に飾っています。
飾りきれない物は流石にしまってますけどね(笑)」
何もそれらしき物が何も無い……
ぬいぐるみやキーホルダーがどこにも無い。
物が少なすぎる訳でも無いが、不必要な物は
なるべく捨てる様にしている感じがする。
人の匂いで気持ち悪くなったのもあるし、
頭の中がごちゃごちゃしたのもあって、
倒れてしまった。
創作)7話
宗乃さんがやっと帰った。
彼女が何者なのかはまだ分からないままだ。
でも流麗の友達でないことは確かだ。
そうなると、ずっと嘘の話をしていた事になる。
すべて嘘なんだと考えながら宗乃さんの話を思い出すと
ゾッとする。「前、一緒に遊園地に行った時ー」とか、
「流麗はお金より大事なものに気付かせてくれたー」
とか…
「まぁでもお金より大事なものって言うのは分かる。
流麗や家族、それと…、いや、それは違うか。
お金より大事………でも気付けたところでお金は
必要じゃん。お金より大事って人とか物とか、
その大事なものがあれば、居ればお金はいらないって事?
その人が居てもお金は必要……だよね、、、
はぁ〜、私馬鹿だからやっぱ分かんないわ〜。
こんな時、流麗がいてくれればなー。」
そう考えてる内に席を外していたお母さんが戻って来た。
お母さんに色々聞かれた。宗乃さんの話、すべて嘘なんだ
って事は言わずに、宗乃さんが言ったこと覚えているだけ
話した。
でもお母さんが聞いたところで何になるんだろうか。
創作)6話
私は宗乃さんに
「流麗とお揃いで買ったんです」
と言われながら手袋を貰った。
「流麗の代わりに使って下さい」
と、言われながら。
それから、宗乃さんと私は流麗について色々話合った。
沢山流麗に優しくされたこと、流麗と出掛けた
数々の思い出を話し、聞いている内に涙が出そうに
なったが、全然出なかった。
私が自分で「泣きそう」って思う時は
必ずと言って良い程泣いてるのに。
何だろう…この…違和感…
ずっと泣きそうなのに涙が出ないし、
しかもずっと、涙の量がだんだん増えるような話を
宗乃さんはずっとしているのに。
それに、流麗は生前、
「__はやっぱ一番の友達だ!!
__以上の友達は居ない!」
って、いつも私に言ってくれた。
流麗は嘘なんて全然ついたこと無いのに
私以上に流麗と話して、遊んで、やり取りを
しているなんておかしい気がした。
"いや、これは宗乃さんじゃなくて私がおかしいのかも。
流麗は私の知らないところで嘘をついていても、
何をしていてもおかしくないのに
こんなに考えてしまう私が…おかしいのかも。"
そう思ったものの、やっぱり宗乃さんが
おかしいんだと気付いた。
この人と居るとイライラしてくる。
こんな人に貰った手袋なんていらない、と
帰ったらすぐ捨てようと思った。
たとえ、流麗が使っていた手袋でもいらない、
と、強く思った。
創作)5話
ある日、私が住んでいる家に誰か来た。
それと同時に母が私を呼ぶ声がする。
その人は母に私を呼ぶように頼んだようだ。
私に会いに来る人なんて滅多に居ないから一階へ行った。
訪問者の名は牧田 宗乃(まきた その)だという。
話を聞いていると、彼女は流麗の親友だという。
彼女も私と同じように流麗が亡くなったショックで
数ヶ月間外に出れなかったようだ。