創作)8話
今日は母の提案で私が宗乃さんの家に向かう事になった。
最初、宗乃さんは必死に断っていたが、
母の圧を感じとったのか、最終的には
「いいですよ…」と言っていた。
外に出ること自体がとても久しぶりでストレスが
溜まっていってるのに、人の家に上がるなんて無理。
元々、人の匂いで吐きそうになるのに、
それで溢れてる場所に行くなんて本当に無理。
でも、他にも心配な事がある。
これからずっと、いつまでも、このままで、
宗乃さんの言っていることが全部嘘だって
分かっているまま、この関係を保つのは
少しモヤモヤする感じがして無理だ。
だから、思い切って………!!
「家、ここなの。どうぞ、入って」
と宗乃さんが言い、
「お邪魔します」
と言いながら入っていった部屋を見てびっくりした。
宗乃さんは以前、こう言っていた。
「流麗とは遊園地や水族館、動物園など色々な場所に
行っていて、その度にお揃いでぬいぐるみを買ってて…
全部が思い出の品なので部屋に飾っています。
飾りきれない物は流石にしまってますけどね(笑)」
何もそれらしき物が何も無い……
ぬいぐるみやキーホルダーがどこにも無い。
物が少なすぎる訳でも無いが、不必要な物は
なるべく捨てる様にしている感じがする。
人の匂いで気持ち悪くなったのもあるし、
頭の中がごちゃごちゃしたのもあって、
倒れてしまった。
4/9/2024, 5:20:07 AM