何気ないふりは
上手くなっちゃいけなかった。
気づかないうちに
すっごく楽しくて
幸せになっちゃってる。
今が楽しいってわかってないうちに
楽しんじゃってる。
生きててよかった、
ここにいてよかったって
楽しんだ後初めて思う。
毎日同じような顔をして
毎日同じような感情でいて
毎日同じような日を過ごして
そんな中で楽しさに、
幸せに気づけない。
"Good Midnight!"
透明で曖昧な人生で
何気ないふりは
自分をつまらなくさせてしまう。
ハッピーエンドは
いつの間にか通り過ぎて、
エンドロールに。
人と人の関わりが
すごく綺麗で儚くて
尊ぶべき素晴らしいものだと
よく感じた今日。
時間はあっという間に過ぎていき、
ハッピーエンドはもうすぐそこ。
1日で沢山の人と関わり、
楽しみ、叫び、
仲良くなり、尊敬した。
気づいたら
ハッピーエンドを迎えていて、
まるで現実ではないようだった。
"Good Midnight!"
自分を縛る何かを
1つずつ解いていって
人との関わりを意識すると
エンドロールはとても良い
非現実を過ごせた。
警報機が鳴り響く中、
少女は裸足で走っていた。
生きたい、生きたい、と
思いながら。
監視機器を壊したせいで、
火災警報器やら何やらが
誤作動を起こしていた。
少女は構わず走る。
扉がいくつもあって
終わりが見えない廊下を。
実験施設というには
施設味が欠けていて、
バックルームというには
人間味が残っていた。
ずっとここが
地獄だと思っていた少女は
走ってる今が
今までで一番天国だった。
1枚の薄っぺらい
白いワンピース。
如何にもな格好な少女は
ただ足を動かすだけ。
やっとの事でたどり着いた
非常用出口を出ると、
非常階段がズラーっと下に続いていた。
しかし
下からは大勢の上がってくる足音。
追っ手が来た。
少女は慌てて上へと進んだ。
屋上には塀があったが
少女は楽々と超えた。
下は海か、湖か…。
飛び降りることを覚悟した少女の服を
ぐっと誰かが引っ張った。
振り向くとそこには
少女と同じくらいの年の少女が。
足が悪く、
塀を超えれないようだった。
少女は
自分より低い位置から
見つめられると
どうしても手を伸ばしたくなる。
少女は服を掴む少女に聞いた。
どうしたいかと。
服を掴む手を離さない少女は答えた。
死にたくない、と。
助けるに十分値する答えだった。
手を引き
少女を塀まで持ち上げた。
"Good Midnight!"
人間を捨てられなかった。
助けようと引き寄せてしまった。
全く知らない誰かなのに。
少女の腹が熱く赤く燃えている。
吹き出る赤は炎のようだ。
少女は少女が
死にたくないから少女を追う、
誰かだったと
灯りが消える直前にわかってしまった。
大切にしたい思いは
きっと誰にとっても
いらないものだったから
丸めて捨てちゃった。
自分を好きになれなきゃ
他の人も好きになれない、なんて
好きな自分は
他の誰にも好かれない。
好きになるには好かれる必要があって
好かれないなら好きな自分なんか
いらない。
そうやって周りに合わせて
わきまえていった。
とうとう私は
闇鍋みたいに
何でもないものになった。
普通になろうと
周りを平均した自分を作った結果、
普通とも個性とも
少し違う何でもないものに。
ひきつった笑顔だけが
顔に張り付いていて
話をするわけでも、
面白くするわけでもなく、
ただそこにいるだけ。
なりたい姿って
遠くて霞んでて
違うように見えてただけで、
本当はこれだったのかも。
そんな風に毎日毎日
考えることすら
放棄していた。
ある日家に帰って
昼寝をして起きたら深夜だった。
外は土砂降り。
お腹も空いてないし
喉も乾いてない。
電気をつける気力もないし
笑顔の筋力も
もう無かった。
"Good Midnight!"
不意に流れた涙は
疲れというか
悲しみというか。
芯を持っておくべきだった
私の全てが
ゴミ箱に捨てられていて、
捨てたのは私で、
なんとも言えない気持ちが漂った。
どこに行っちゃったの、
My Heart。
ベランダで煙草を吸う
あるアパートに住む人。
誰かに語りかけてるみたいな
独り言がすごく多い人。
深夜から明け方にかけて
煙草をゆっくり吸っているんだけど、
どうやら甘いやつみたいで
糖分補給にもなっているのだとか。
今夜もまた
その人はひとりで
ぽつりぽつりと呟く。
小さい頃は
シャボン玉吹いてるだけで
満足できたのに、
いつから煙草なんかに
肺が染まっちゃったのかねぇ。
コンビニによって
おにぎりの海苔の味が違って、
昔はよくこだわってたもんだ。
ファミマがいい〜ってね。
アパートのベランダって
風通しよくてもっと寒いんだと
思ってたのに。
逆に暑くて夜風に当たるとか
エモすぎるシチュエーション
できないじゃん。
あーあ。
なんでこんな
つまんない人になっちゃったんだろ。
煙のように
その人の言葉は空中でバラバラになる。
口の中は甘い香りでいっぱいだ。
"Good Midnight!"
ないものねだりな私たちって
なんで生きてると
悲しくなるんだろうね。
なんだか涙も
甘い味がする気がした。