誰にも見せられない
秘密の標本。
最初に恋したのは
君の匂いでした。
通りすがった時に、
ふわっと香るいい匂い。
ずっと嗅いでいたいくらい
心地良い匂いです。
次に恋したのは
君の髪の毛でした。
少しくせっ毛で黒髪で、
ストレートの私を羨ましがっていた君が
すごく可愛かったです。
次に恋したのは
君の性格でした。
とてつもなく優しい君は、
どんな私でも受け入れてくれそうで
少しだけ怖かったです。
次に恋したのは
君の目でした。
私の目を見つめてはくれなかったけど、
何かを見る時の君の目は
輝いていて綺麗でした。
最後に恋したのは
君の話し方でした。
君は誰に対しても、
ずっと敬語を使っていて
でも時々タメ口で
私は君と話している時が
1番楽しかったです。
君の全てに恋をして、
君の全てが欲しくなりました。
完璧に模倣した標本も
本物と比べると
やっぱりただの偽物でしかない。
でもこの標本は君にだけは見せれない。
君が欲しくて君を作ったのに
やっぱり君が欲しくなるばかりだった。
恋しくて苦しかった。
メッセージでのやりとりや、
会って話すことが
私の幸せと生きがいになっていました。
"Good Midnight!"
君がいないと
日々がつまらなくなるのが
すごく嫌でたまりません。
だって君は
きっと手に入らないから。
冬が迫っていて
凍える朝。
布団の表面は冷たくて
暖かい布団の中へ、
潜ってしまいたくなる。
午前4時。
うっすらと明るく
少し青みがかった外。
窓を開けようと思い触ると
結露で濡れていて
とても冷たい。
外の空気を肺に取り込むと
ひんやりしていて
ツンツンして痛い。
少しむせてから網戸を閉めた。
もう一度寝たいけど、
手が冷たくて眠れそうにない。
今からすることも特になく、
ただぼーっとまた外を見ていた。
たまに吹く風はカーテンを弄ぶのだが
やはり冷たく、
時々身震いをした。
いつから早起きになったんだろう。
考えてみれば人生というものが
どうでもよくなってきた頃からだった。
もう疲れたとかそんなんじゃなくて、
ただ面倒くさいなって思っただけ。
のんびり生き続けてもいいし、
ぽっくり死んでもいい。
そんな感じだった。
楽しみなことが1つ減る度
ここに居る意味も
1つ減る気がしてた。
"Good Midnight!"
今日は雨。
寒くて震えて
何故か涙が出てきて
それでも寝て起きたら
また朝になってる、
そんな雨。
どんな人でも光と影がある。
光は長所と呼ばれる、
その人のいい所であり
他人に尊敬されたり、
特別感のあるもので
人に見せびらかすもの。
影はその逆で、
短所と呼ばれるその人の悪い所であり
人が離れていったり、
無くしていきたいもので
人から隠すもの。
光は暖かくて
影は冷たい。
光が無ければ影はできなくて
影が無ければ光がわからない。
それなのに影ばかり目に付いて
どうしても下を向いてしまう。
誰でも影はあるって
自分も大勢いる中の一人だって
わかっているのに。
光がぼんやりとしていて
なのに影はくっきりとしていて。
あぁ。
子どもの頃の小さな夢って
きらきら光ってて可愛いなぁ。
短所も愛せて
長所はむやみに引き出さず
ありのままで。
"Good Midnight!"
そうだった。
私は何かを創作する人になりたかった。
光も影も見えなくていい。
創ってる時だけ
どうでもよくなる自分という存在。
涙は創作物を濡らしてしまう。
それでも止める気にはなれなかった。
だって涙は幸せへの水やりだから。
ある1つの星が降ってきた。
それは希望の光とも呼ばれた。
枯れた地に水を撒き、
暗い空に明るさをもたらした。
そして緑の丘で
いつも祈りながら歌っていた。
実は降ってきたのは星ではなく
少女だったのだ。
黄金色に輝く髪、
サファイアのような瞳、
思わず風がそよぎ
ささやかな応援をしたくなるような美声。
少女はまさに天使だった。
少女は捨てられた星に舞い降りては
更生させている。
誰もいない、
星ひとりぼっちだったところに。
ある時少女は空を見上げた。
そこには星屑が煌めいていた。
たまに
何のためにこうして星を更生させているのか
少女もわからなくなるようだ。
手を伸ばしても届かない星々。
一つ一つ歴史はあるはずなのに
今はもう捨てられて
ただの見物とされている。
少女はやっぱり悲しかった。
星は幸せで溢れ、
緑や海が綺麗であるべきだ。
頑張って歴史を残し
この宇宙に存在していることは
素晴らしいんだと。
"Good Midnight!"
少女は幻を見ていた。
自分が星を救っていく夢のような。
本当は少女が星を駄目にしているのに。
少女が泣く度海は荒れ、
歌う度に台風が起きた。
いつかパタリと少女が倒れた時
きっと星々は安心して
また宇宙にあり続けるだろう。
そして、
世界は紡がれる。
tiny love。
日常に小さな愛は
たくさん隠れてる。
いや、溢れてる。
例えば信号が
タイミングよく青になった時。
コンビニのレジで
バーコードを向けて商品を置いたら
ありがとうございます、と
店員さんに言われた時。
突然雨が降り始めて
友達が傘を貸してくれた時。
そんなちょっと嬉しくて
ちょっと暖かいような
小さな愛。
私はこんな小さな愛だけで
一日が鮮やかに見えてくるんだと
気持ちが少し軽くなる。
ずっとこんな日が
続けばいいのにと思う。
けど好きなことばかりは
していられないし、
私が親友と呼ぶ人は
多分私のことを親友と呼ばないし、
小さな悲しみもたくさんある。
色んな人やものにつつかれながら
毎日は流れるように進んでいく。
"Good Midnight!"
止まることを知らない日々は
私をたまに置いていこうとする。
やっぱりしがみつくのは
大変だねって
どこかの誰かさんと共有してみたりして。