るに

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ある1つの星が降ってきた。
それは希望の光とも呼ばれた。
枯れた地に水を撒き、
暗い空に明るさをもたらした。
そして緑の丘で
いつも祈りながら歌っていた。
実は降ってきたのは星ではなく
少女だったのだ。
黄金色に輝く髪、
サファイアのような瞳、
思わず風がそよぎ
ささやかな応援をしたくなるような美声。
少女はまさに天使だった。
少女は捨てられた星に舞い降りては
更生させている。
誰もいない、
星ひとりぼっちだったところに。
ある時少女は空を見上げた。
そこには星屑が煌めいていた。
たまに
何のためにこうして星を更生させているのか
少女もわからなくなるようだ。
手を伸ばしても届かない星々。
一つ一つ歴史はあるはずなのに
今はもう捨てられて
ただの見物とされている。
少女はやっぱり悲しかった。
星は幸せで溢れ、
緑や海が綺麗であるべきだ。
頑張って歴史を残し
この宇宙に存在していることは
素晴らしいんだと。
"Good Midnight!"
少女は幻を見ていた。
自分が星を救っていく夢のような。
本当は少女が星を駄目にしているのに。
少女が泣く度海は荒れ、
歌う度に台風が起きた。
いつかパタリと少女が倒れた時
きっと星々は安心して
また宇宙にあり続けるだろう。
そして、
世界は紡がれる。

10/30/2025, 2:19:17 PM