るに

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6/28/2025, 4:21:16 PM

梅雨明け30℃、
夏の気配を感じる今日。
白雲峠異変なし、っと。
毎日この峠を見てまわり、
記録に書くのは大変だ。
しかも今は夏。
通気性抜群の布ポンチョと
歩きやすいサンダルが無ければ
暑くて倒れてたんじゃないか?
白雲峠は
ネブラスオオカミが生息する峠。
ネブラスオオカミは
仲間意識が高い割に
オオカミの中でも特に身体が大きく、
知性を持たない者もいれば
力を余るほど持っている者もいる。
そんなオオカミが
一つの峠に集まっているとなると、
仲間割れというのが起きた時
すごく面倒で
すごく抑えるのが難しい。
だからこそ私がこうして
今日も峠を見てまわる。
喧嘩しているオオカミ、
ピリピリしているオオカミがいたら
すぐに記録に書き報告し、
峠を守っている。
最近は人間の出入りが多いと聞くが
おそらく狐に似た人の噂だろう。
あの人はよく噂される人だから。
狐に似た人は
数少ないトモダチだから
来てくれるのは嬉しいんだけどね。
人間に来られると
ネブラスオオカミも異変を察知して
すぐ見に来ちゃうから。
"Good Midnight!"
はぁ。
また早起きして
暑い中記録を書く。
白雲峠異変なし、っと。
ちょいとそこのお姉さん。
声をかけられたかと思うと
狐に似た人だった。
久しいねぇ。
まだ記録続けてはったんやねぇ。
ええ。報告は私の仕事ですから。
いつもの毎日とは
ちょっと違う、
トモダチと話せた
嬉しい早い朝のことだった。

6/27/2025, 2:33:40 PM

そこで
寝っ転がって
目を瞑ると
身体の中を魚が泳ぎ、
身体の中をジンベイザメが泳いだ。
そこは自分が水槽になり、
魚たちを自分で生かす
ということが体験出来る水族館。
名前はよく知らないけど、
好きでよく通ってる。
特に身体が水みたいに
冷たくなるのと
ジンベイザメが通る時は
他では味わえない感覚だと思う。
"Good Midnight!"
私は水、今は水。
魚を生かす
ただの水。
そう思うと気持ちが楽になる。
まだまだ知らない感覚は
たくさんある。
踏み出すのは私も怖い。
重い重い気持ちを
少しでも軽くするため、
まだ見ぬ世界へ!

6/24/2025, 3:36:20 PM

空はこんなにも綺麗なのに
なんで私は
空を飛べないんだろう。
なんでここにいるんだろう。
やりたくないことやって
無理やり
早寝早起きをして
報われるわけでもないのに
ヘトヘトになるまで
頑張って。
半年に1回は来るだろう。
叫び声と泣き声が入り交じった
ヒステリックのような悲鳴が。
自分から発せられていて
しかも
泣きじゃくっているときた。
疲れてきたら止まる。
自分を制することもできないのか、と
毎回呆れる。
どんなに泣き叫んでも
日々の疲れが
癒えるわけじゃないから
無くなるわけじゃないから
もっと苦しい。
水を忘れた魚みたいに
呼吸が浅くなる。
"Good Midnight!"
今日も言うんだ。
報われたらいいなぁって。
今日もいい日だったって。

6/23/2025, 2:55:32 PM

子供の頃の夢は何でしたか?
子供の夢なんか
叶いっこないから捨てろって
昔誰かに言われた気がして
その時捨てたんです。
だから覚えていません。
…そうですか。
趣味はありますか?
絵を描くことが趣味だったんです。
「だった」と言いますと?
昔誰かに何回か絵を見せたんです。
そしたら気持ち悪いだの
ポーズがおかしいだの
否定を沢山されまして、
挙げ句の果てには
画材なんかに金を使うなと
言われてしまいまして、
その時から描いてません。
多分4年くらい前だと思います。
…そうですか。
あなたの強みは何かありますか?
そうですね、
考えなくてもわかってしまいます。
無いです。
…そうですか。
あの、助けてくれる人はいますか?
私どうしても1人でいたいので
基本友人は作らないようにしてます。
そうじゃなくて、困ってる時に
手を差し伸べてくれる人のことです。
いますか?
…いないかもですね。
そうですか。
採用です。
ようこそ。
"Good Midnight!"
世界中の本が集まる
本管理局。
面接内容は人によって変わり、
独特の雰囲気を漂わせる
ここに合った人だけを採用しているんだとか。
今日もまた1人、
本には興味が無さそうなのに
ここへ来た人が
世界から救われていった。

6/22/2025, 3:36:53 PM

嫌なことがあった時、
私の頭の中には
私を送り出そうとする私がいる。
どこにも行かないで。
このまま溺れよう?
沈もう?
世界とお別れしようよ。
対して私は
私を引き止める。
大丈夫。
今だけだ。
今だけ、今だけ。
この地面に足さえついていれば
何とかなる。
何とでもなる。
いつもはギリギリのところで
引き止める私が勝つんだけど、
今日はちょっぴり送り出す私が優勢。
だってずっと負けっぱなしで
黙っておくような私じゃないから。
幸せな周りの人を見て
妬みだけで生きてるような
私だから。
引き止める私も少し身構えてた。
けどここまでとは。
何があったかというと、
何も無かった。
ただ身を投げることしか
頭になかった。
身を投げるために朝ごはんを食べて
身を投げるために身支度をして
身を投げるために家の鍵を閉める。
ザザーンっと波の音が下から聞こえる。
ただの崖。
当たったら痛いかもだけど
今までに比べたらなんとか耐えれそ。
送り出す私は引き止める私を錯覚させ
今人生を終わらせようとしていた。
"Good Midnight!"
あっ、でもでも、
まだ回転寿司で20皿食べたことないし、
行き当たりばったりで綺麗な所に
電車で行くってのもやってないし、
雨の日に水たまりに飛び込んでないし、
お風呂で本を読んだことないし…。
まだダメだな。
まだ溺れられないな。
結局最後は
どちらの私もやめてしまう。
だから今ここにいる訳で。

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