捨てればいいのに
マグカップ。
断捨離してると
捨てればいいのにって物
ばっかり出てくる。
けどどれも思い出があったり
まだギリ使えそうだったりして
断捨離にならない。
ゴミ屋敷って、
断捨離しようとすればするほど
なっていくもんなんだなって
よくわかる。
私は掃除も捨てるのも苦手だから
部屋は物で溢れかえって
私の生活スペースが
どんどん小さくなっている。
救急箱はいる。
帽子は外出ること少ないけど
多分まだ被る。
空き缶は…
なんで残してんだ。
しかし部屋を片付けると
どこに何があるのか
また覚え直さなきゃいけないのが
まためんどくさい。
ふーっと一段落。
一旦ゴミ屋敷は回避。
"Good Midnight!"
水を飲むために
捨てればいいのにと思う
マグカップを持ち上げるのさえ
疲れてめんどくさい。
雨の湿気でいつもの倍
全てのことがめんどくさい。
は?
家までの帰り道を
歩いていた時、
不機嫌で
めんどくさがりで
無い物ねだりで
矛盾しまくってて
自分が1番不幸だと思ってる顔をしてる
私みたいな君がいた。
見た目もそっくりで
ドッペルゲンガーを疑った。
そんな怖いことは置いといて、
驚くほど趣味が似てて
楽しいことを求めて
旅行しまくって
好きなものは好きって言えるくせに
嫌いなものは嫌いって言えなくて
泣き虫って、
一緒にいればいるほど
君は私みたい。
もしかしたら
昔の私かもなんて
考えたりしちゃって。
もしも君が
昔の私だとしたら
背中を押してあげられるほど
今の私も強くないって
わかってくれるはず。
だって私だもん。
"Good Midnight!"
あのね、わかるよ。
私、君の気持ちわかる。
やりたくないことやって
人並みに頑張って
苦手な早起きしたって
その分
楽しくて幸せになれる素敵な何かが
あるわけないのにさ、
いつか訪れるって
毎晩泣きながら思ってるんでしょ?
嫌なことあった日は
寝る前にいい日だったって言って
無理やり嫌なことを
忘れようとしたんでしょ?
泣き虫でも
矛盾しまくっててもいいからって
自分を受け入れてくれる明日を
探してたんでしょ?
家の前で猫が死んでたから
保健所の人に連絡して
回収してもらった。
そんな感じの話を
バスに乗ってる時に聞いた。
なんだか猫が可哀想に思えて
頭の中で想像してみる。
イヤホンを付けて
現実を遮断してから。
愉快にリズム良く散歩する君。
しっぽを左右に揺らして
にゃーっと甘い声で
人を魅了していく君。
でもある日、
いつもみたいに
道路を歩いていたら
車が来て
君は小さくて見えなくて
そのまま轢かれちゃって。
日々が一瞬で終わった。
君だけのメロディが
生きていた時間が流れてた
はずなのにね。
亡骸すら
迷惑だと思われたのか
保健所に連絡されて
回収という形でいなくなる。
せめていつもの道路で
骨になるまで朽ちれたら。
そんなことを考えてた時に
耳に入ってきた歌詞は、
さよなら
涙の雨が降りしきる
あの子の曇りがちな空も
だった。
適当にかけてた音楽だし
失恋ソングっぽいから
猫と関係ないように見えるけど
ここの歌詞だけ
猫に当てはまってる気がして、
うっ、と沁みた。
"Good Midnight!"
雨に打たれ
風に打たれ
見たこともない猫に
慈悲を向ける今日この頃。
I love youって
なんでそんな単語
存在するんだろうね。
口からぽろっと零れた言葉。
誰もいない家で
冷房の効いた部屋で
寝っ転がりながら
ぼーっと開けられた口からは
ぽろぽろ言葉が出ていく。
梅雨ってじめじめして気持ち悪い。
けど雨は好きだから
気温だけ何とかして欲しい。
傘も好きだから
出かけられるぐらいの気温がいい。
紫陽花見たいけど咲いてるとこ遠い。
切符好きで買うけど
たまに落としそうになって
ヒヤッとする。
あのくらいの涼しさがいい。
雨音好きだけど
夜中に鳴られると気が散って
寝れないからやめてほしい。
冷房寒い。
切りたい。
冷房を切ってから
ようやく口が閉まる。
数分開けて話していたからか
口はカラカラ。
飲み物を飲もうにも
部屋を出なければいけないので
めんどくさい。
米高い。
2000円の米売ってるとこ遠い。
ネット弱いから
通販頼めない。
壁寂しい。
スティッカー貼りたい。
ポスターどっかいった。
やる事も決まらないまま
こうやって1日が過ぎていく。
泣きそうになるほど幸せな日もあれば
泣きたくなるほど辛い日もある。
今日は中間かな。
泣きそうになるほど辛い日。
イライラするし
もやもやするし
うざいし
不安だし
悲しいし
幸せな気がするし
辛い気もするし。
"Good Midnight!"
ぐるぐるした感情の中で
いちばん大きくて前のめりだったのは
冷房つけたら寒いし
消したら暑い。
どんなものも
私より軽くて
冷たくて水みたい。
例えばベッド。
寝っ転がって眠ろうとしたら
深海みたいに深いところまで
沈んでいく。
気分が悪いってわけじゃなくて
むしろ水圧の圧迫感が心地いい。
たまに沈んだら
息苦しくなるのもあるけど
そういうのからは
目を背け続けたらいい。
毎日沈んで溺れて
息を吸えるのは自分の家だけで
外は大海原。
玄関で1秒だけ呼吸を止めて
何も言わずに
坂道で立ちすくむ。
深い青色、
薄く淡い水色。
たくさんの水に沈んで
綺麗な色は覚えてしまった。
また沈みたいと思ってしまった。
知らない方が幸せだったかも。
沈むなんて感覚。
どれに溺れたか
きょろきょろ回りながら探す。
探し疲れて息が切れる。
新しい水を探すより
同じ水を探すのは
私の人間関係にも
関係があるのかも。
変わっていくのが怖いだけで
震えて家から出るのが苦しくて。
私は自分の涙にすら
溺れてしまう。
"Good Midnight!"
梅雨入り。
雨がサーッと振る中、
水たまりに沈んでいく。
雨音に包まれて。