家の前で猫が死んでたから
保健所の人に連絡して
回収してもらった。
そんな感じの話を
バスに乗ってる時に聞いた。
なんだか猫が可哀想に思えて
頭の中で想像してみる。
イヤホンを付けて
現実を遮断してから。
愉快にリズム良く散歩する君。
しっぽを左右に揺らして
にゃーっと甘い声で
人を魅了していく君。
でもある日、
いつもみたいに
道路を歩いていたら
車が来て
君は小さくて見えなくて
そのまま轢かれちゃって。
日々が一瞬で終わった。
君だけのメロディが
生きていた時間が流れてた
はずなのにね。
亡骸すら
迷惑だと思われたのか
保健所に連絡されて
回収という形でいなくなる。
せめていつもの道路で
骨になるまで朽ちれたら。
そんなことを考えてた時に
耳に入ってきた歌詞は、
さよなら
涙の雨が降りしきる
あの子の曇りがちな空も
だった。
適当にかけてた音楽だし
失恋ソングっぽいから
猫と関係ないように見えるけど
ここの歌詞だけ
猫に当てはまってる気がして、
うっ、と沁みた。
"Good Midnight!"
雨に打たれ
風に打たれ
見たこともない猫に
慈悲を向ける今日この頃。
6/13/2025, 11:29:02 AM