るに

Open App
2/28/2025, 4:26:02 PM

手袋を片方落とした日。
大切にしてたからショックで
友達に無くしたことを言うと
笑って流された。
その日は雨に打たれてる気分だった。
雨は好きだけど
たまに冷たくて染み込んできて
心をギュッと押さえてくる。
でも別の日に
家族に怒られたことを言うと
心配する声が帰ってきた。
ヒーターの前で手を出してる気分で
あの日の温もりは
何日か忘れないだろうと思った。
人との繋がりは
いつか途切れる時が来るというもので。
ある日一気に友達を失った。
数人はまだ仲良くしててくれたけど、
私が手を伸ばしたら
その手を取ってくれる人たちだから
私は手を引っこめて
関わらないようにするしかなかった。
巻き込みたくないから。
なぜ友達を失ったかというと
それは少女からもらったトランシーバーが原因。
少女と毎日トランシーバーで話していたら
自然とみんな離れていった。
ただそれだけ。
本当にトランシーバーが原因なのかは
まだ怪しいくらい。
でも友達は守りたいものであり、
私そのものでもある。
"Good Midnight!"
今日もトランシーバーにそう話しかける。
私がいつ行方不明になってもいいように
ボイスメッセージを録音して。

2/27/2025, 4:23:53 PM

道端で拾ったパズルのピース。
それは水色で
空の部分かなーなんて思いながら前を見て見たら、
奥の方の空が
ピースと同じ形に空いてた。
戻さなきゃと思って
拾い上げてみると、
ピースの端っこらへんに
鳥の羽根の部分がちらりと見えた。
空を見てみると
一羽の鳥が空中で止まっていて
羽根が片方無かった。
一種のホラーだなとは思ったけど
ここからでもはめられるかもしれないと
ピースを上にあげてみる。
そしたら意外と簡単にはまって
鳥がcute!なんて言い出すから
ほんとに今日は
パラレルワールドか何かにいるのかもしれないと
頬を引っぱたいたりした。
次に見つけたのは黄緑のピース。
絶対雑草だ!って見渡すと
また空いてるところが。
今度はリスのしっぽが切れていた。
はめるとリスはcool!なんて言って
そのまま逃げていった。
可愛い?
かっこいい?
もう頭の中はハテナだらけ。
とりあえず家に帰り、
今日は部屋の明かりを早めに消して
どうでもいい夢を見ようと寝た。
パズルの波に飲み込まれる夢を見て、
目覚めは最悪。
1時なんて微妙な時間に起きた。
"Good Midnight!"
多分疲れがたまってる。
睡眠不足かな。
なんて自分に言い聞かせて
オカシナ世界から無理やり抜け出した。

2/26/2025, 12:42:45 PM

はぁ〜。
今日の記録をするために
手を動かしノートに書いていく。
毎日毎日これの繰り返し。
したいことは出来ないだろと周りに言われ、
横には逃げ出したくせにヘラヘラ笑ってる人。
ため息の一つぐらいつかせて欲しい。
缶コーヒーを開けて夜の空を見上げる。
飛行機が丁度真上を飛んでいた。
夜の飛行機はなんか好き。
光ってて小さくてもよく分かる。
月は反対側にあるのか、
どこにも見当たらない。
明日は迷子列車に乗ろうか
それとも絵を描こうか迷いながら歩いていると、
蒼いコートにチェックのマフラーをつけた
少女が前を歩いていた。
その足取りは少し嬉しそうで
思わず笑顔が零れた。
なんだか明日は迷子列車に乗りたい気分、
こんな一瞬で決まるなんて思ってなかったから
その後は一人でクスクス笑ってた。
"Good Midnight!"
ため息ついても
幸せはそんな簡単に逃げないみたい。

2/25/2025, 2:41:44 PM

サッチェルバックには
1週間分の服と本と思い出。
あとはここから出る勇気だけ。
でもその勇気は
ずっと前にもう貰ってた。
さぁ冒険だ。
私に怖いものはないはずなのに
幽霊もおばけも月曜日も怖くて。
レンガの道をずーっと歩いて
疲れたらおにぎりを食べて、
また歩いて。
たまに列車に乗ったりして。
夜更かしなんかもしちゃって。
田舎道を通ったり、
都会の中を歩いたり。
いつもは悩んでたけど
泣いても笑っても
月を見ればなんとか。
なーんて言ってみたかった。
本当は今も昔も本がないとやっていけなかった。
"Good Midnight!"
から始まる本。
冒険する勇気があっても
心の拠り所は必要なものだった。
そうわかっただけで
この冒険は意味があった。
私はそう言い切れる気がした。

2/24/2025, 10:49:30 AM

猛暑の中で
猛吹雪の中で
風に吹かれて
雨に打たれて
そうして咲いた一輪の花。
美しい透明で数が少なく、
昔は月と太陽を繋ぐ花なんて言われていた。
あんまり綺麗なので
学者たちが研究するために
街中、村中、森中に咲いてるこの花を
摘んでしまった。
増殖のために根こそぎ持っていったのに、
研究は失敗。
顕微鏡で見るために
プレパラートに乗せただけで崩れてしまった。
繊細で脆く扱いずらい花だった。
こうして世界から透明の花はなくなった。
ように思われた。
森の奥にある滝のさらに奥。
洞窟を抜けると
そこには草原が広がっていて、
少し遠くに一件の家があった。
ショールを身につけた少女は
家を出て
紫陽花や薔薇、
そしてあの透明の花が沢山咲いた
秘密の花畑へ水やりに行った。
学者がどんなに頑張ってもなし得なかった
透明な花の増殖を
少女は当たり前のようにしていた。
ここは昼は綿あめのような雲、
夜は星屑が空に広がっている
楽園のようなところだった。
"Good Midnight!"
少女は言う。
厳しい環境で育ってきたんだから、
敬意を払っていい環境を用意をして
愛情と水を注ぐのは当たり前でしょ?

Next