るに

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手袋を片方落とした日。
大切にしてたからショックで
友達に無くしたことを言うと
笑って流された。
その日は雨に打たれてる気分だった。
雨は好きだけど
たまに冷たくて染み込んできて
心をギュッと押さえてくる。
でも別の日に
家族に怒られたことを言うと
心配する声が帰ってきた。
ヒーターの前で手を出してる気分で
あの日の温もりは
何日か忘れないだろうと思った。
人との繋がりは
いつか途切れる時が来るというもので。
ある日一気に友達を失った。
数人はまだ仲良くしててくれたけど、
私が手を伸ばしたら
その手を取ってくれる人たちだから
私は手を引っこめて
関わらないようにするしかなかった。
巻き込みたくないから。
なぜ友達を失ったかというと
それは少女からもらったトランシーバーが原因。
少女と毎日トランシーバーで話していたら
自然とみんな離れていった。
ただそれだけ。
本当にトランシーバーが原因なのかは
まだ怪しいくらい。
でも友達は守りたいものであり、
私そのものでもある。
"Good Midnight!"
今日もトランシーバーにそう話しかける。
私がいつ行方不明になってもいいように
ボイスメッセージを録音して。

2/28/2025, 4:26:02 PM