私のやる気は真夜中から。
本当の実力なんて
見せ物じゃないわ。
この世は無知な方が安全なの。
自分を偽り続けて欺くことを
後々助かったと思う人もいれば、
一生無意味で
偽らなくてもよかったと思う人もいる。
偽るのって大変だからね、
真夜中はいいと思うの。
真面目そうな
通りすがりの人だって
もしかしたら
お酒ばっかり飲んでる人かもよ?
夜は人が変わるの。
もちろん変わらない人もいるわ。
私の擦りむいた膝に
大きい絆創膏を貼って
目の下にクマを作れば
なんだか大変そうな人に見えるでしょう?
コーンフレークを
毎朝食べてるだけの人なのにね。
宝物は誰にも見せないって決めてるの。
鳥かごから鳥を出したら
飛んでいってしまうのと同じ感じ。
ペンを持って
机に座っても
言葉は思いつかないし、
選べないのよ。
ぐちゃぐちゃな文でも
私が読めればいいの。
誰に読ませても
感想なんて酷いものでしょう。
いいのよ、
音楽聴きながら書いてるものなんて
歌詞が紛れ込んでたり
気分が変わって
急に話が切り替わったり
するものだから。
それにしても寒いわね。
真夜中に書くのは
やっぱり違うのかしら。
私の大好きな漫画だって
手に取らなきゃ
ただの飾り。
"Good Midnight!"
って大好きな一言も
使い続けたらいつかは飽きる。
一生懸命に作ったものほど
残念がられるのは
泣きたくなるほど悔しいけど
目から涙は出てこなかった。
背伸びをしたって届かないものが
他の人にはあった。
アロマキャンドルの香りが
部屋全体に広がる中、
もう16時だというのに
寝ている怠惰な少女がいた。
30回目のアラームで起きると、
まだ寝ていた黒猫を抱き抱え、
一緒に歯を磨いていた。
分厚めの裏起毛のパーカーを着ると、
長い髪をくくり始めた。
こたつの中に引きこもった猫は
急に少女の足が入ってきたことに驚いて
頭をぶつけてしまった。
2人でぬくぬくと
またこたつで寝る姿は
ほのぼのしていて
平和という感じがする。
何をするかによるけど
夢は来るものだから
待っていればいい。
それは少女の姉が言った言葉だった。
夢が来ると書いて
夢来(むく)って言うんだ。
それを心の中の
すみっこでもいいから
置いておいたら
夢が来るんだよ。
それから少女は
黒猫を飼って
いつまでも
いつまでも寝ていた。
寒い日はこたつの中。
暑い日は扇風機をつけながら床で。
猫と毎日寝ていた。
起きたら夜で、
少女も猫も
くしゃみを3回。
布団へ行き、
また寝ようとする。
電気をつけっぱなしにしていたことを
思い出した少女は
少し考えてから
"Good Midnight!"
と言って
部屋を暗くした。
もしかしたら
もう、
夢はそこにあったかもしれない。
猫が家にいること、
のんびり暮らすこと、
寝て過ごすこと。
それでも少女は
夢を逃さないために
夢があることに気づかないフリをして
いつまでも
いつまでも夢の中にいた。
私には推しがたくさんいる。
でも私は
ほとんどの推しに1度は冷める。
たくさんの想い出があったとしても。
熱しやすく冷めやすい私は
推しにした人のスクショを撮りまくり、
ネットにアップするわけでもなく
保存して鑑賞する。
冷めてきた頃に、
ふと
その人を思い出して調べて
またスクショを撮って…。
ズブズブと沼にハマって
多い日は1日で57枚も撮ってしまう。
まだ推したての頃は
グッズをかき集めたりしていたが、
冷めた時に邪魔でしかなかったので
私の推し事はスクショと決めている。
悲しい事に
私は同担拒否らしく、
推しのことを誰にも知られたくなかった。
私は誰かから知ったのに。
もちろん自分で見つけた推しもいるけど。
YouTuberならコメント欄はなるべく見ず、
ゲームならそのゲームを
友達にオススメしなかった。
自分の知らないところで推しが知られるのも
本当は嫌だけど、
ぐっと堪えた。
コメントはしなかった。
その代わり、
通知が来るとすぐ飛んで
いいねを押した。
ガチャのイラストも全てスクショ。
周りから見たらちょっと怖いかもしれない。
同担拒否は推しにとって迷惑かもしれない。
十分わかっている。
だけど好きなんだ。
声、性格、喋り方、顔、過去、髪色、髪型、くせ
全部全部愛おしいんだ。
そんな推しの近くにいる人、
例えば裏方とか、
モブキャラとか、
推しを毎日眺めれるような人が
すごく羨ましい。
こんなことを思っていても
冷めるものは冷める。
蛙化とかじゃなくて
飽きるって言うか、
尊さが薄れるって言うか。
でも
辛い時、悲しい時
泣き止ませてくれるのは
やっぱりたくさんの推したちで、
暗闇の中で
ほんとに微かだけど
照らして私を導いてくれるのは
たくさんの推したちで。
"Good Midnight!"
重度の同担拒否ではない、
そもそも同担拒否なのかも怪しい。
そんな私だけど
これは明確。
同担拒否は辛いんです!
暗くなるのが早くなってきて、
寒くなってきた。
冬になったら
この街はどんな風に変わるんだろう。
雪景色が広がるかもしれない。
湖が凍っちゃうかもしれない。
冬限定のポッキーが出てくるかもしれない。
そんなことを考えながら
くしゃみをして
ズルズルと鼻をすする。
寝ようと思って入った布団は
冷たくて、
毛布もひんやりしていた。
電気を消してから
スマホが辞められなくて
ブルーライトが
目を覚ましちゃう。
嫌なことばっかりでも
朝は来ちゃうし、
寝なくても
日付は越えれちゃう。
そんな息が詰まるような中で
暗闇の中で
スマホの画面に
そっと指を触れたら
ぱっと光って、
目を照らして
明日を遅らせてくれてるような気がして。
それでも睡魔には勝てなくて。
"Good Midnight!"
夜更かしは楽しいし
好きだけど
寝ないのは体に良くないからね。
睡眠万歳!
ニコイチの動物のぬいぐるみ。
手が磁石でくっつくようになってて、
いつも手を繋いで
可愛いぬいぐるみだった。
でも1つどこかで落として、
探し回ったけど
どこにも無くて、
泣きながらベンチに座ってた。
あの子と
はなればなれになった
この子は
寂しそに磁石がついてる腕を垂らしていた。
見つけてあげたかった。
この子にとって
あの子はトクベツだから。
あの子でいいんじゃなくて、
あの子じゃなきゃダメだから。
結局隣の県まで来ちゃって、
自販機で飲み物買って
また探し始めた。
疲れて、
疲れて、
でもこの子の隣を
埋めてあげたいから。
いつの間にか寝てて、
公園にいた。
霧が出てて、
前が見ずらかった。
ふと、
ポケットに重みがあると思って
見てみたら
この子とあの子が磁石でくっついて
手を繋いでた。
よかった。
見つかったんだね。
もうはぐれないでね。
あの子のお腹には
"Good Midnight!"
って書いてあった。
楽しかったようでなにより。
危ない目にあってなくてよかった。
ほっと安心した朝方、
ホットケーキを。