るに

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アロマキャンドルの香りが
部屋全体に広がる中、
もう16時だというのに
寝ている怠惰な少女がいた。
30回目のアラームで起きると、
まだ寝ていた黒猫を抱き抱え、
一緒に歯を磨いていた。
分厚めの裏起毛のパーカーを着ると、
長い髪をくくり始めた。
こたつの中に引きこもった猫は
急に少女の足が入ってきたことに驚いて
頭をぶつけてしまった。
2人でぬくぬくと
またこたつで寝る姿は
ほのぼのしていて
平和という感じがする。
何をするかによるけど
夢は来るものだから
待っていればいい。
それは少女の姉が言った言葉だった。
夢が来ると書いて
夢来(むく)って言うんだ。
それを心の中の
すみっこでもいいから
置いておいたら
夢が来るんだよ。
それから少女は
黒猫を飼って
いつまでも
いつまでも寝ていた。
寒い日はこたつの中。
暑い日は扇風機をつけながら床で。
猫と毎日寝ていた。
起きたら夜で、
少女も猫も
くしゃみを3回。
布団へ行き、
また寝ようとする。
電気をつけっぱなしにしていたことを
思い出した少女は
少し考えてから
"Good Midnight!"
と言って
部屋を暗くした。
もしかしたら
もう、
夢はそこにあったかもしれない。
猫が家にいること、
のんびり暮らすこと、
寝て過ごすこと。
それでも少女は
夢を逃さないために
夢があることに気づかないフリをして
いつまでも
いつまでも夢の中にいた。

11/19/2024, 1:17:44 PM