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5/20/2024, 1:00:08 PM

理想のあなた

わたしのあなたは
いつも、最後に笑ってる

大人しくて
私が私が私ってよくデキるでしょ
なんて、しゃしゃり出るあざとさの微塵もない
大きな声も張り上げない
決して人の前は歩かない
煩ささのないあなた

あなたの前では
時間が穏やかに流れていましたね

人を責める前に
庇っちゃう人で
与えちゃう人で
あげちゃう人で

気づけば
損ばかりしていた
損ばかりしているのに

最後に笑ってる

私はあなたには
叶わない

理想のあなたは

私の母でした


2024年5月20日

心幸




5/19/2024, 12:20:20 PM

突然の別れ

悲しみを満たした初冬の朝の光が差し込む部屋に突然鳴り響くベルの音。

なんのことか解らずに、悲しみから目覚めない私はまるで夢の中に居るようだった。

若い看護師が慌てて入って来た霊安室。

誰が押したか知らないが非常ベルが鳴っていた
霊安室の・・・。

あれは、父の無念の死の叫びだったのだろうか?私は少し霊感が強い方だが、そんな私が経験した霊体験のような父との突然の別れの朝だった。

いい人生だったのか
はた迷惑な人生だったのか

したたかに酒を飲み
酔った挙句に
帰れなくなってしまった
ヘタレ親父

情けないやら
悲しいやら

呆気にとられて
別れの言葉も涙も
出なくて
悪い夢でも見せられているように
呆然と立ち尽くしていた私を

目覚めさせるかのような
ベルの音
お父さん、そこにいるの?
何、悪戯してるの?
早く、戻ってよ!

私は、心の中で叫んだが
言葉が声に出なかった

やっぱり、これって現実?
お父さん返事してよ!

父は笑っていた
最後に笑顔を残して逝った

え、寝てるんじゃないの?
飲み過ぎたって、頭かきながら
起きるんじゃないの?

なにこれ、悪い冗談やめてよ…

悪夢を掻き消すベルの音
でも、目覚めても悪夢は続いていた
それは、現実だったから

それが、父との
突然の別れだった

あの日から
私は、いってらっしゃいは
目を見て言うようになった

絶対に別れる相手が背を向けて
歩き出すまで見送るようになった

最後に高く笑顔で手を振った
父を忘れないために


2024年5月19日

心幸








5/18/2024, 1:24:20 PM

恋物語

ハート型の葉っぱのライラックの花言葉は初恋の香り。

彼女はライラックの花を知らなかった。
花びらが5枚のライラックをラッキーライラックと呼び見つけると幸せを呼ぶという伝説を信じてライラックを探す青年が白いライラックの咲くテニスコートで彼女を見つけるという物語を聴いて憧れていただけであった。

何故なら彼女は白という色を知ることが出来なかったし、ライラックという花を見つけることも出来なかったからだ。

彼女の目は光を色を知らなくて、心臓にも重い病があったから、七つの初夏からほとんど病院で暮らしていた。

そんな彼女を毎日見舞ってくれる彼がいた。

毎日彼女の病室を訪れては彼女の母が窓際に飾る花の色を彼女に教えたり、病室の窓から見える空の青さを教えたり春には桜が咲いたよもうすぐ紫陽花が咲くよ薔薇が咲いたよ向日葵が咲いたよ楓が紅く染まったよ木蓮が花をつけたよと教えてくれた。

彼も心臓に病があり二人は互いに励まし合いながら生きていた。

そんな彼が彼女にラッキーライラックの話を教えてくれた…。

何時か君をライラックの咲く場所へ連れて行って、僕がラッキーライラックを見つけて君に贈るよ二人はそんな約束をした。

二人は、心臓の手術を受ける日を待っていた。彼女が少し早く手術を受けた。彼女は無事に心臓の大きな手術を終えて、その病室で彼を待っていた。

彼は訪れて、何時ものように明るく爽やかな声で彼女に語りかけた。

「僕も手術が決まったよ」
「良かったわ、早くよくなってラッキーライラック見つけに行こうね」
「そうだね、そうしよう」彼の表情が少し曇っていたことに彼女は気づけない。
彼は、極めて明るく彼女に言った。

「ひとつ、言わなきゃならない事があるんだ」
「なに?」
「僕は、別の病院で心臓の手術を受けることになって、暫くここに来れないんだ」
「えっ、何時転院するの」
「明日」
「随分急ね…」
「うん、君の手術が終わってから言おうと思っていて」
「暫く会えないけど、約束するよ僕はまた戻って来るから…分かった?」
「…う、うん分かった」
彼女は暫く考えてからそう答えた。
光を知らない彼女の目からはキラキラと光る涙が溢れていた。
彼はその涙に口づけた。


それから暫くして、彼の手術まで連絡を取り合っていた連絡が途絶え彼女は心配でいたたまれなくなっていた。

そんな、彼女の元にある知らせが届いた
「角膜移植のドナーが見つかりました」
彼女は不安になりながらどうして急にそんなこと?戸惑う彼女に両親は、
「これで、目が見えるようになれば、彼とライラックが見に行けるぞ」
「お願い、そうして」と促され彼女は戸惑いながらも手術を受けた。


手術は無事に成功した。
彼女の目に光は宿ったが、心は光を失った。
何故なら、彼女の目には彼の姿は映ることがないと知ったから。

彼女は悲しみの底に居た。
深い深い漆黒の彼を知る前から知っていた漆黒の世界よりもまだ深い漆黒の世界に彼女はいた。

そこで、あの懐かしい声を聞いた。

「よく聞いて、僕の声が君には聞こえるだろ、僕ならここにいる、君の目の中だ心の中だ、僕の手術が難しいものだと知った時から僕は君の中で生きると決めていた、だからお願い悲しまないで、僕と生きて欲しい」はじめて見る彼の顔は優しいかった。「これが、笑顔というものか…」彼は最後に笑った。

微笑みこう言った。

「僕をライラックの咲く場所に連れて行っておくれ、二人でラッキーライラックを見つけよう」


白いライラックの咲くテニス場でラッキーライラックを探す彼女の目の奥に彼はいた。

小さな恋物語


2024年5月18日

心幸




5/17/2024, 2:40:27 PM

真夜中

夜9時に好きでもないドラマを後でケチつける為につける…。

夜9時に、そのドラマをつけたまま寝落ち、きっと独居なのだろう。

真夜中に目が覚める。

ネットに向かい丑の刻参り…。

朝方まで続く丑の刻参り。

そのまままた寝落ち

かろうじて、世の中との繋がりは仕事。

それも、コロナで在宅ワーク

「寂しい女は太る」とかいう本がその昔話題になったが。

今じゃあ

「寂しい女はネットで丑の刻参り」

月を見上げて「ワタシが、優しくしたい人だけみんな違ってそれで良い」とか…。

好きな人に優しくするのは簡単で
嫌いな人に優しくするのは難しい

無理して嫌いな人に優しくするのは健康にも良くない。

そんなに、いい人ぶらなくて良いんだよ。

嫌いな人に好かれる必要もないし
好きになる必要もないけど、相手も人間だってことだけ忘れないでください。

常に自分が正しい訳でもなし正解な訳でもないそんな謙遜を身に着けて、嫌いな人は無視しましょう…と自分に言い聞かせる。

修行か?

汝の敵を愛せ!は所詮無理
汝の敵を許せ!もなかなか難しい

せめて、汝の敵を無視しましょう
くらいならやれそうな気がする。

他人にものを謂うのに
名乗りもしない

気持ちが悪いから…

今日はちょっと毒を吐いてみた。

丑の刻参りは真似したくないけど。


2024年5月18日

                心幸





 

5/16/2024, 4:02:41 PM

「愛があれば何でもできる?」

疑問形?

「愛と仕事どっちが大事?」

と、同じ感じ?

やめちまいな、そんなの。

「愛だけじゃ生きていけない」

否定形

「愛じゃお腹は膨れない」

と、同じ感じ?

やめちまいな、そんなの。

「愛さえあれば何でも出来る」

呑気?

「君さえいれば…」
「あなたさえいれば、なんにもいらない。

と、同じ感じ?

結局人生に必要なものは

「愛と平和と有給休暇!」

だと彼女は言った。

心配ないからね
君の想いが
誰かにとどく明日はきっと来る

信じることさ 必ず最後に愛は勝つ

とか歌う。

僕は幸せ者なのだろうか?

愛さえあれば君のために何でもできる!

と、誓う

僕は幸せ者なのだろうか?

ふと、疑問形の午後だった。

アーメン♪

2024年5月16日

心幸









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