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5/1/2024, 1:54:53 PM

カラフル

光のプリズムが君を背中から照らした。
君の笑顔が逆行で見えなくなったけど
笑顔の残影がしっかり残ったよ。

1986年冬、やって来た、謎の転校生。

本当は2024年の少年、私の会えなかった息子なのかも知れないと思った。

少年は17歳の私を見に来た、15の夜の姿で。私の青春で私と同じにその時代の学生服を着て一緒に暮らした。

暮らせなかったから、そうした。

砂漠みたいな世の中で、カラフルに光る虹の橋を渡って、謎の少年は会えなかった人に会いに来た。

年下だけど、ずっと前から知っていたような、守られているような、そんな気にさえなる、まだ何者でもない17歳の私だった。

やがて、光のプリズムは君を背中から照らし君は光の中に消えて行った、見えなくなったけど笑顔はしっかり私の心に残ったよ。

2024年冬…。

もう、私はおばあちゃんになった。

私には、会えなかった息子が一人います。

今時々その虹の橋に消えた少年のことを思い出すのは、あれは会えなかった息子が会いに来てくれていたのではなかったかそう思うのです。

もっと、抱きしめてあげれば良かった。

そんな昔話を語ってくれる認知症のおばあちゃんがいました。

随分と歳を召され
記憶は時々曖昧になり
忘れぽくなったよと仰っても、生き生きと鮮やかに蘇るように語られる昔話

おばあちゃんは、十七歳で
息子か初恋の人にもう一度会ったのか分からない、そんな昔話を聞いた。

おばあちゃんの頬は鮮やかに輝いて
カラフルな光のプリズムの向こうに消えた
初恋の彼なのか、会えなかった息子なのか分からない謎の少年の光る笑顔だけを鮮やかに記憶している様であった。

カラフルなぼんやりとしたけれど、最後まで覚えている笑顔。

おばあちゃんのカラフルな昔話を聞いた。


2024年5月1日

心幸


4/30/2024, 3:30:05 PM

楽園

みどりなす自然の息吹
悲しい光を秘めた純金
芽吹く葉は花ひとつ
だが それもたまゆら

やがて葉は葉として落ち
その時エデンの園にも
悲しみは訪れたのだ
かくて 夜明けは
日に移る

輝くものは
輝きのままにとどまらず

S . E . ヒントン 「アウトサイダー」

わたしたちは、悲しみも苦労もない楽園に暮らしていました。

神の用意した住まいに兄弟姉妹と共に

弟は父に愛されていた

兄は父の愛に渇望し悲しみと嫉妬を知った

姉妹は美しさを競った

神は人は独りでいるのは寂しかろうと助け合うものを創ろうとしましたが、助け合いとともに争い合うものも人と人とは創ってしまわれたのでした。

独りの男の肋をとってつくられたもう一人の女彼と彼女は幾人もの兄弟姉妹を産み助け合いましたがまた争い合うことも覚えてしまったのです。

独りの男と女は最初エデンの園という神が用意した楽園に暮らしていました。

エデンの園には美しい木や、実のなる木が沢山あり、美しい水の流れる泉もありました。そしてエデンの園の中央には「善悪を知る木」がありました。

神様は二人に「園にある木から好きな実をとって食べなさい。ただし善悪を知る木の実は決して食べぬように」と言われていたのでした。何不自由なく美しい楽園の中純真無垢な男と女は生まれたままの姿で、神様との約束を守り暮らしていました。

ところが、ある時悪魔から知恵を授けられた白いヘビがやって来て、女に「神様はどの木から実をとって食べてはいけないと言ったのかい」と聞きました。女は答えました「いいえ、どの木からもとって食べなさいと仰いました。ただ善悪を知る木の実は決して食べてはならぬと仰いました」ヘビは女の耳元で囁きます「善悪を知る木の実を食べると神様のように善悪が分かるようになるんだよ!神様は君たちが神様にならないように善悪が分かる木の実は食べちゃいけないと仰っているのさ、分かるかいこの意味」

女はその真ん中にある木の実が、それはそれはとても光輝いて美味しそうに見えたのでした。そしてまた、食べると神様のようになれるという白いヘビの言葉をおもうのでした。
そうして、羨望という思いを知ってしまうのでした。

女はついにその善悪を知る木の実に手を伸ばして男と共に食べてしまうのでした。

善悪を知る木の実を食べた瞬間、男と女は互いに裸でいることを知り恥じらいを知って体を隠すようになりました。

神様は二人に「食べたのか?」と尋ねました。

男は女に勧められたと言い女は白いヘビに勧められたと言いました。
こうして二人は言い訳を知り神様は「女、汝これから先子供を産む苦しみを知るだろう」「男、汝 これから一生戦い凌ぎ合い続けるのだ」

こうして男と女はエデンの園を追放され、2度と楽園に戻ることは許されず、二人の子孫たちは、凌ぎ合い競い合い戦い続ける道に生きることになるのでした。

善悪とは悲しみを知ることなのかも知れません。楽園で生きていた頃は知ることもなかった善悪は楽園の外に溢れていました。
これが最初の罪と罰でした。

旧約聖書 「創世記」引用


2024年4月30日

   心幸       


4/29/2024, 1:45:13 PM

風に乗って

風に乗って君はまた僕の肩に降り積もりにやって来た。数ヶ月前「あなたの肩に降り積もる雪になりたい」と囁いた君は深々と静かに降り積もり僕の肩を白くしてやがて消えた。

外套の肩先に君の涙の跡がいつまでも残っていた。

「今度は消えない姿で戻っておくれ」

僕は外套に残った君の涙の跡を撫でながら呟いた。
 
やがて、春が来て風に乗って君は戻った。
今度は薄紅色の羽衣を纏って
ハラハラと僕の肩に降り積もる

「今度は雪じゃないから消えないは」

彼女の子供のような声が僕の耳に届いた。

僕は肩に止まった薄紅色の彼女を掌に乗せて

「おかえり」

そう、呟いて

肩に舞い降りた桜の花弁をそっとハンカチに包んだ。

いつまでも一緒にいよう

君降る午後


2024年4月29日

心幸

4/28/2024, 10:57:38 AM

刹那

その潮を見る為に自ら罠に落ちる
彼女はそんな遠い潮の誘いを聞いた。

激しく早い性急な本性に必死に抗う彼岸の彼女は今その流れの境目で本性の流れに巻き込まれる刹那を目の当たりにする。

渦潮は生まれ、その時彼女の小さな白い身体は渦潮に餐まれる刹那に身を任せ遠くに潮の音と匂いのような祭り囃子の男踊りと女踊りの足音を感じながら静かに眼を閉じ身を任せた。

揺れ動きながら

刹那な潮は彼女の全身を電流のように駆け抜けた。

身悶えするような
刹那な一瞬に酔う

春の渦潮クルージングツアーの船酔い・・・。

2024年4月28日

心幸



4/27/2024, 10:56:18 AM

生きる意味

生きることに意味などあるのか
生きたことに意味があるのではないのか。

生きる前から
生きる意味など考えるから
生きることが辛くなるのではないのか

生きる前から
生きることに意味など探すな
生きるために生きろ 必死に生きろ

必ず死ぬから
必死に生きろ

必ず死ぬなら
必死に生きろ

生きることに意味などない
生きたことに意味がある

だから もしも

生きる意味が知りたいならば

生きろ 
必死に生きろ

生きたことが生きる意味だからだ!




2024年4月27日

心幸

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