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4/28/2026, 8:08:49 AM


お題「生きる意味」

ルーレット回して、人生ゲーム

1つ進んでスタートライン
2つ進んで卒業式
3つ進んで仕事について
4つでそろそろ結婚か

色鮮やかなルーレットは、くるくる回って混乱しそう
無機質な矢印に指図されて、今日も右行け左行け
誰かが作ったマスに止まって、勝った負けたと一喜一憂
何の罪もない粗雑な不幸は、何の因果で誰の所為?

5つ進んでスポーツ選手
6つ進んでスーパースター
7つ進んで億万長者
8つ進めば大惨事

進んで戻って、泣いて笑って

お金があれば人生の勝者
というのは、まぁ間違いではないと思う
武士道とは死ぬ事と見つけたり
なんて、今時流行るわけもないし
でも、たまにはサイコロも振ってみたい
そんな顔つきをしつつも、手の中に隠したサイコロを、後生大事に握りしめてる

お前はいったい何の為にいるんだ?

顔のない自分の分身に向けて、無意味で無駄な説教をしてみる
自分自身の事は棚にあげ、現実逃避でもする様に

ふと思う

ゴールした後のコマは、どうなるんだろうか?
やっぱりお終いという事なのか
何の意味もなく大金を抱えて
それなのに、どうして喜べるのか
初めに戻る方が、ましなんじゃないか

不意にあのこの声が響いた

9マス進む!

あのこのコマが、トントンと近づき、同じマスに止まる
2人のコマが踏んでいるのは、わざとらしく飾られた「結婚」の2文字
僕とあのこの視線が交わり、あの子は少し、はにかんだ。

今回は勝てなくても構わないかもしれない

僕の人生ゲームは、思いのほか随分と単純らしい

4/27/2026, 9:45:15 AM


お題「善悪」

正しくなんてありたくない

僕は痛むお尻を軽く押さえ、眼前を睨みつけた。

だってそうじゃないか
正しい事をした所で、いい事なんて何もない
気持ちいい思いをするのは、いつも悪い奴と決まっているんだ

さっきだってそうだった

青信号になって歩き出した僕の目の前を駆け抜けたのは、他人の事などお構いなしと言わんばかりのバイク。
尻もちをついた僕を心配して寄って来た人達に、僕は何故か恥ずかしくなって、そそくさと謝って早足で去った。

世にはばかるのは、いつも悪い奴だ
政治家だって、有名人だって、こんな悪い事をしてましたって、しょっちゅうニュースになるじゃないか
だから僕は、正しくなんてありたくない
社会の犠牲になんて、なってたまるか

そんな恨み節に没頭していた僕の足に、落ちていた空き缶が当たり、からんと音を立てる。
僕は憤慨していた余韻を残しながらも、少し迷うと、蹴り飛ばした缶を拾い、近くのゴミ箱まで行って中に落とした。

教室に入った僕は、友人との挨拶もそこそこに席に座る。

今日は学期末の、苦手な英語のテストの日。
意地悪な大人達が、普段の安寧を恨んで、僕達生徒を上から目線で値踏みする日だ。
クラス全体が平穏を装いながらも、どこかピリついている。

でも、今日の僕は一味違う。

お尻の痛みに顔をしかめながらも、僕は軽く意気込んで、教科書とノートを広げる。
教科書を立てて手元を隠すと、ノートで勉強するふりをして、机の下の方にこっそりとペンを走らせた。
薄っすらとそこに残ったのは、教科書に書かれている英語のテキスト。

やってやる

お尻の痛みが熱になって、脳まで登ってくすぶっている。
周囲の張り詰めた空気に当てられながらも、僕はまるで、世界に一人だけでいる様な気分になっていた。

やがて、先生が入ってきて、強張る生徒の事など、知った事ではないというふうに、朝の話を始める。
逸る気持ちでそんな説教を素通りさせていた僕だが、時間が経つにつれ、徐々にさっきまで頭の中に籠もっていた熱が、どういうわけか、冷えて固まっていく。
やがてそれは、2人の人の様な形になって、僕の左右から囁き始めた。

右側から天使が訴える
やめるんだ。みんなが努力しているのに、君だけずるするつもりか

左側の悪夢が誘惑する
誰かに迷惑かかるわけじゃないから、構わないだろ

右から天使がまた訴える
そういう問題じゃない。自分が卑怯者だという事実は、ずっと消えないんだ

左の悪夢がさらに誘惑する
この世に卑怯じゃない人間なんているか? この程度の事で騒ぐなよ

みんながテスト前の緊張にいるのに、僕1人だけは、頭がぐるぐる。
これなら普通にしていた方が楽だったんじゃないかという程、頭の中で、天使と悪魔がはた迷惑に殴り合っている。

とりあえず自分の力でやってみて、それでダメだったら、もう一度考えよう。
戦いに疲れた天使と悪魔は、そういう方針で休戦した。

やがて、先生の話が終わると、いよいよテストが配られる。
僕は、他の人と同じように、前の席から用紙を受け取り裏にすると、頭の中のでへばった2人と、お尻の痛みを振り払い、目の前の課題に集中する。

チャイムの音と共に、教室の全員の手が一斉に翻り、テストに食らいついた。



表になった問題用紙を見て、固まる。

テストの出題範囲、間違えてた

呆然とする僕をよそに、周囲からはカリカリとペンを走らせる音が、無機質に鳴っていた。

4/26/2026, 7:08:20 AM


お題「流れ星に願いを」

流れ星に願掛けしよう

あなたはそう言って、既に何かをなし遂げた様な顔で望遠鏡を担いできた。

真冬の夜の澄んだ空気の、瞬く星の銀河の下。

大きな手袋をつけたまま、慣れない手つきで望遠鏡を組み立てようとしているあなたを、私はじっと後ろから眺めた。

どこから引っ張り出したのか、月でも撃ち落とすんじゃないかという程大きなそれは、今の私達には明らかに不釣り合いなものだった。

手袋を放り出して望遠鏡を完成させたあなたは、かじかむ指もそのままに、飛びつく様にレンズを覗き込む。

流れ星を探すのに、望遠鏡はいらないんじゃ

思ったけれど、口には出さない。
そっちの方が、一生懸命、夜空に心を奪われているあなたを、見ている事ができるから。

不意にあなたが振り向いて、私は少し、ドキッとした。

ほら、きて

あなたが急かすように場所を空けた、レンズの先にあったのは、なんて事ない普通の土星。

知ってる? 土星の輪って、ものすごく薄っぺらいらしいよ

私はレンズから顔を離し、どうでもいいというふうに、呆れながらそこから離れる。
あなたはそれを気にするでもなく、再びレンズの虜になると、すぐにあなたの心は、また澄んだ夜空に還っていく。

ごめんね

あなたがこんなにも流れ星を探しているのに、私の心は、流れ星なんか来なくていいと思ってしまう。
あなたはこんなにも夢中に、夜空に願いを飛ばしているのに、私の願いはあなたの側にいるだけで、既に叶ってしまっている。

少し後ろめたくなって、特別心惹かれるでもない空に、顔を向けた。

南の空に並んだ2つの星は、私達の事など気にもせず、いつもと変わらずに瞬いている。

不意にその間に、一筋の光が流れた。

あ、流れ星

えっ

レンズを覗き込んでいたあなたは、飛び跳ねる様に、私を見た。

どこ?

もう消えたよ

頭を抱えて落ち込むあなたの姿を見て

案外、普通にしていた方が、見つかる事もあるんだな

と、思った。

そう言えば、あなたは流れ星に、何をお願いするんだろうか?

4/25/2026, 8:35:34 AM


お題「ルール」

いつも自由を求めてた
ルールに縛られたくなんてなかった
誰かが決めた正しさじゃなくて
ほんとの僕にかえりたい
退屈な日々にさよなら言って
重い鎖を断ち切って
希望と決意に燃える瞳で
輝く青春見つけよう

そんな妄想しているけれど
なかなか現実は、そうはいかない

朝、目が覚めて、洗面所
背筋を伸ばして、いただきます
机の上はいつでも綺麗に
夜が更ける前に、おやすみなさい
歯向かうでもなく、逃げるでもなく、同じ仕草を、繰り返してる

そもそも僕は暴れたいわけじゃないんだ。髪を染めたり制服を着崩しても全然格好良くないし無駄に大人に歯向かったり喧嘩しても何の意味もないだいたい普段からそういう態度しているといざという時にもきちんとした振る舞いができなくなって

けれど僕は目を奪われた。

日差しの様な、あどけない笑みで、魅惑の視線を振りまいている。
長い手足の機敏な肢体は、踊って跳ねて、天真爛漫。
背中にはえてる見えない翼は、飛び立つ天使か、鳳凰か。
手を引く未来も知らず存ぜず、踏み出す先は思いのまま。

僕は堪らず、そのこにたずねた。

どうしてそんなに自由でいられるの?

そのこは振り向くと、いつも通りの笑顔で答えた。

ルールを尊重しているからだよ

僕は目を丸くして、呆気にとられた。

4/24/2026, 9:29:48 AM


お題「今日の心模様」

今日の私の心模様
土砂降りざあざあ雨宿り
今日の私の心模様
お日様カンカン日射病
今日の私の心模様
雨雲どんより曇り空

天気予報は、いつもデタラメ
つまらない事で、顔色変えて
右往左往しては、喜怒哀楽

あなたに会えて、小春日和
一緒に歩いて、秋模様
些細な喧嘩で炎天下
北風吹いて、無愛想

重たい雲に、閉じこもっては
言い過ぎだったと自己嫌悪してる
いっそ嵐になればなんて 
現実逃避で誤魔化して 

退屈な空を見上げては
お天道様に目をそらし
何もない風に吹かれては
日差しを避けて漂っている

けれど見つけたあなたの背中は
雨でボヤけて、霧の中
わたしは少し、迷ったけれど
走って、傘を差し出した
小さい傘からはみ出す肩が、黒く冷たく濡れていく

ごめん

あなたは傘を受け取ると、こちらにそっと傾けた
濡れた肩とは反対側が、ほのかに温くて、くすぐったくて

冷たい雨音続いても
それだけの事で雨上がり
気まぐれ空に漂う雲は
すぐにうららか能天気

今日の私の心模様

午後からは徐々に、晴れるでしょう

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