shiro

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4/28/2025, 9:04:57 AM

いつからだろう
こんなに泣くようになったのは
自分の感情に素直になったのは

ふとそう思った。

だがその答えはすぐに出た。きっと紛れもなく彼女と出会ってからだと思う。まっすぐな彼女はそうやっていつも僕に気付かせてくれる。彼女に出会うまでは心の奥底で1人抱え込んでいた。誰にも見せることなくそのままずっとずっと抱え込むつもりだった。

そんな僕は今、君のおかげで随分変わったと思う。自分の感情に正直に。君にとっては簡単なことかもしれないけど僕にとっては大変だった。でも救いだった。こんなに心の奥が軽くなったのは初めてだったから。だから何度でも君に伝えたい。素直にまっすぐに。
ありがとうって

「ふとした瞬間」

4/6/2025, 6:25:55 AM

歌うのが好きだ
歌詞に沿って歌うのが好きだ
歌詞に感情を込めるのが好きだ
感情を歌詞に乗せて紡いていく
この瞬間がたまらなく好きだ
いつか君にもこの歌声が届くかな
この気持ちが届くのかな
届くといいな
その時君はどんなことを思うだろう
なんだっていいや
君が横にいて、ただ聞いてくれるだけで僕は幸せだよ?
そんな日を願って今日も僕は歌を口ずさむんだ

「好きだよ」

4/2/2025, 7:20:02 AM

〜春爛漫続き〜

「よし、こんなもんかな。」

そう言うと彼女は羽を広げた。

「ま、待って。」

無意識に彼女を引き止めていた。
声に気づいてくれたのか彼女は振り返ると同時に魔法で出した羽をさっきと同じような小さな光の玉としてぱっと散らした。美しい光景に見惚れていると気がつけば目の前に彼女がいた。

「おや、こんなところでどうしたの?もしかして、迷ったとか?」

いきなり声をかけられ、とりあえず何か返さねばと思い咄嗟に口が動いた。

「あ、え、えっと。その綺麗な羽、どうやって?」

「あーこれね。これは魔法だよ。私の家に代々伝わる魔法。君もつけてみる?」

そう言うと彼女は手を差し伸べた。手を繋いでみるとあっという間に光に包まれ、気がつけば彼女と共に宙を浮いていた。一瞬、何が起こったのか困惑していたが彼女の気遣いもあり低空であったためすぐに自分が飛んでいることに気づいた。少しして彼女が地面に足を下ろすが見え、見様見真似に下ろし手を離した。するとまた光の玉が周りを散ると同時に自分についた羽が消えた。あの時見た光景と同じだ。

「どうだった?」

「なんていうか、すごかった。」

「あはは。私もこの魔法、家族以外で使ったの初めてかも。でもその顔は気に入ってくれたみたいだね。」

人生で初めて空を飛んだということもあり、感動と好奇心が表情に出ていたらしい。

「ちょうどよかった。この辺り散策してみたかったところだし、よかったら一緒に来る?」

迷いもなく惹かれるままに首を縦に振った。

これが彼女との出会いだった。今も彼女には世界のこと、魔法のことなど色々なことを教わっている。ただこの飛行魔法だけは代々伝わる大切な魔法ということで秘密らしい。いつか教えてもらえる日が来たら君にも色んな景色を見せてあげたいな。

「はじめまして」

3/30/2025, 5:28:32 AM

これはある旅の途中の一夜の物語である。

元気のない彼女がそこにいた。どうしたの?と声をかけてみてもうん…と返されるばかり。無理に聞くことはせずそっと横に座った。黙って俯いたままの彼女。いつのまにか頬には涙の滴が流れていた。いつものまっすぐな彼女とは違い何か思い詰めていたような、そんなように見えた。気がつくと僕は彼女を抱きしめていた。わからない、でも今はそうすることしかできなかった。こんな彼女を見るのは初めてだ。

「何があったかは無理に話さなくて大丈夫。僕、きっと何も知らないんだと思う。踏み込んでいいのかもわからないけど、だからもっと早く気づいていればよかったなって思う。今はこのままでいいよ。」

言葉を間違えないように1つ1つ丁寧に話した。話終わった後、彼女は僕をきつく抱きしめて再び泣いた。僕はただただ抱きしめ返していてあげることしかできなかった。まだまだ知らないことばかりだ。彼女はどれだけ前にいるのかな。僕なんかよりきっとずっと考えて抱え込んで先を見ているのだろう。知りたい。彼女の涙を。頼りない僕だけどいつか君に寄りかかってもらえる存在になりたい。いや、なってみせるんだ。
窓から差し込む月明かりが2人を強く明るく照らしていた。


「涙」

3/27/2025, 2:50:00 PM

春爛漫
ふと思い浮かんだのはやはり彼女のことだった。前の世界で初めて彼女に合った日のこと。その頃の僕はまだ駆け出しで右も左もわからないまま旅をしていた。人を見つけては道を尋ね、何とか食糧を確保し毎日生きていくのがやっとだった。そんな時現れたのが彼女だった。ある日、道が悪く中々思いように進めずにいると突然、彼女がやってきて両手をぱっと広げた。その瞬間、彼女から光の玉のようなものが弾け飛び荒れ果てた道は整備され、さらに傍には一面に花が咲いた。

その時の彼女を今でも鮮明に覚えている。まるで天使のように羽ばたき、神々しいという言葉が相応しかった。あれから彼女を追い続けている。彼女は僕にとって憧れの存在だ。だから僕も頑張ろうと思える。
いつか彼女を追い越せるように。
一人前になれるように。

「春爛漫」

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