shiro

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3/20/2025, 6:08:17 AM

ある日の夜

「明日は少し遠出するよ?準備よろしくね。」

唐突にそう告げられた。

「うん、でもどこに行くの?」

「それはお楽しみだよー。」

「お楽しみかぁ、なら楽しみにしとくよ。」

「うん!」

そう言って彼女は先に寝てしまった。彼女らしいと思いつつ、僕も旅支度をし明日に備えて早く寝ることにした。

次の日

「今日は予告していた通り旅に出ます。準備はいい?」

「うん。」

そういうと彼女は僕の手を引いて歩き出した。新天地に向かう期待と知らない場所へ連れて行かれるというドキドキでいっぱいだった。空はというと少しの雲はあるものの一目で快晴と言える天気で目を瞑れば鳥の囀りが聞こえてきそうなほどであった。
途中まではいつも散歩で向かう山沿いの道を進み、何ら変わらない景色だった。だが今日はいつも渡る橋を渡らず直進し、さらに山奥に進んだ。進むにつれて人影もなくなっていき、木が生い茂った道になっていった。僕は薄暗い場所にいる恐怖心と本当に道が合っているのかという不安を感じた。彼女はというとたわいもない話をしていつも通りニコニコで歩いている。そのおかげかまだ足を止めずに進むことができた。

しばらくすると小さな洞窟のような場所に着いた。

「ここはちょっと暗いから明かりを灯すね。」

そう言うと魔法なのだろうか、彼女は手に光の玉を出し前方を照らした。小さくて丸い光だったがかろうじて足元は見えたので慎重に進んだ。僕はこの世界にもこんな場所があったのかという驚きと突然暗く狭い洞窟に連れて来られたことでますます不安や恐怖を感じた。一度彼女にどこへ向かっているのか聞いてみたが秘密だよっと返されてしまいとにかく進むしかなかった。

〜続く〜

「どこ?」

3/18/2025, 11:45:43 AM

いつの間にか限界を超えてしまう癖がある。
その度にボロボロになってしまう自分がいた。
いつも孤独感や劣等感に苛まれる自分がいた。

そんな僕を変えてくれたのは彼女だった。

「頑張れるのはすごいことだよ?でーも、無理だけはしないでね?私はそれだけが心配だよ?」

あったかい炬燵みたいな言葉だった。
聞いた瞬間、涙が溢れたのを覚えている。
きっと忘れることはないだろう。この言葉にこんなにも救われていること。今、僕を救ってくれているのは紛れもなく彼女だ。俯いても背中を押してくれる。そばにいてくれる。隣で笑ってくれる。そしてどこか幼くて、でも強くあろうとしてつまずきそうになってる君にいつも見惚れてしまう。その度にいつも気付いてしまう。この気持ちに抗えないことに。彼女を守りたいことに。

だから伝えよう
まっすぐな君に
いっぱい笑ってくれる君に

「好きだよ」って


「大好き」

3/17/2025, 3:00:10 PM

「叶わぬ夢」を目にした時、ふと思った

夢は簡単に叶わないからこそ「夢」と言えるのだと思う。夢を叶えるために人は努力し、時に喜怒哀楽の感情を露にする。たとえ夢が叶わなくとも夢を叶えるために努力したことは決して無駄にはならないはずだ。
だから僕はこれからも夢に向かって精進していこうと思う。

新しい自分に出会うために
新しい自分に生まれ変わるために

3/16/2025, 1:16:20 PM

「ねぇねぇ、見てあれ。」

「ん?どこどこ?」

「ほら、あそこ。あの小さなお花屋さん。」

「本当だぁ!めっちゃ綺麗!」

気付いた時には駆け出していた。
彼女もついてきてくれている。

「いい匂い。よく見つけたね。」

「うん、たまたまだけどね。」

目を輝かせている僕を彼女は待っててくれている。彼女も楽しそうだった。

「お?気に入ったのある?よかったらプレゼントするよ?」

「ありがとう。んーどれも綺麗で選べないよ。」

「ならこの小さな白いお花はどう?アサビって言うんだけど。」

「可愛くて綺麗!でもどうしてこの花なの?他にもあるのに。」

そう言うと彼女はニコッと笑って答えた。

「アサビの花言葉は『あなたと二人で旅をしましょう』って言うの。だからこれからも一緒に私の冒険に付き合ってくれる?」

それを聞いた僕は胸がいっぱいになった。

「うん!もちろんだよ!ありがとう。嬉しい!」

アサビを受け取った僕は嬉しさでいっぱいだった。
きっと僕って単純なんだと思う
一緒に旅をしているだけ、側にいるだけ、笑ってるだけ、それだけ、それだけでいいんだって思う
こんなにも幸せなことを大事にしたい
好きになれたことを大切にしたい
この気持ちだけはいつまでも忘れないようにアサビの優しい香りと一緒に胸の奥にしまっておこう
いつでも思い出せるように
一生の宝物になるように

「花の香りと共に」

3/15/2025, 2:52:24 PM

ある日、彼女が問いかけてきた。

「ねぇ、私たちってこれからどうなると思う?」

不意を突かれた僕は戸惑った。

「んー、わからないよ。でも僕たちの旅は始まったばかりだよ?大変なこともいっぱいあるかもしれないけど乗り越えていこうよ。」

「そっかぁ、うん、そうだよね。乗り越えるか。」

思っていた答えと違っていたのか彼女の口調と表情からは不安が垣間見えた。
もどかしかった。
きっと彼女はきっと僕とは違う世界を見ていてもっとずっと具体的に不安なんだ。この世界にやってきたばかりの僕は今、彼女について行くことしかできない。それじゃダメだってこともわかっている。だから今彼女を不安にさせてしまっていることが悔しい。きっとまだまだ足りないんだ。頑張らないと。いつか彼女の横に立てるように。
あの日、誓った自分との約束を果たすために。

「心のざわめき」

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