「ねぇねぇ、見てあれ。」
「ん?どこどこ?」
「ほら、あそこ。あの小さなお花屋さん。」
「本当だぁ!めっちゃ綺麗!」
気付いた時には駆け出していた。
彼女もついてきてくれている。
「いい匂い。よく見つけたね。」
「うん、たまたまだけどね。」
目を輝かせている僕を彼女は待っててくれている。彼女も楽しそうだった。
「お?気に入ったのある?よかったらプレゼントするよ?」
「ありがとう。んーどれも綺麗で選べないよ。」
「ならこの小さな白いお花はどう?アサビって言うんだけど。」
「可愛くて綺麗!でもどうしてこの花なの?他にもあるのに。」
そう言うと彼女はニコッと笑って答えた。
「アサビの花言葉は『あなたと二人で旅をしましょう』って言うの。だからこれからも一緒に私の冒険に付き合ってくれる?」
それを聞いた僕は胸がいっぱいになった。
「うん!もちろんだよ!ありがとう。嬉しい!」
アサビを受け取った僕は嬉しさでいっぱいだった。
きっと僕って単純なんだと思う
一緒に旅をしているだけ、側にいるだけ、笑ってるだけ、それだけ、それだけでいいんだって思う
こんなにも幸せなことを大事にしたい
好きになれたことを大切にしたい
この気持ちだけはいつまでも忘れないようにアサビの優しい香りと一緒に胸の奥にしまっておこう
いつでも思い出せるように
一生の宝物になるように
「花の香りと共に」
3/16/2025, 1:16:20 PM