NoName

Open App
10/18/2024, 2:50:15 PM

 友達との帰り道、
   キンモクセイの匂いにあの人を思い出す。

  曲がり角で友達と別れた後、1人になった私はなんとなく寂しい気持ちになり空を眺めた。

私を置いてどこまでも遠くへ行ってしまうような、
高く広い空が私には眩しすぎて、私はまた前を向きただただ足を進めた。


「秋晴れ」

10/15/2024, 10:43:57 AM

  今あるものを全部捨てて捨てて捨てちゃえば、あの空はもっともっと輝いて見えるのだろうか。
仕事も他人も今も過去も全て置いてきちゃえば、
  あの道ももっと高く高く飛べるのではないか。

10/13/2024, 2:53:16 PM

  夕方、突然彼女から連絡がきた。
「今日の夜星見に行かない?」

_____久しぶりに会った彼女は照れたように笑うと、「行こっか」と呟き僕の手をつかんで走り出した。子供のようにはしゃぐ君をみて、僕も自然と微笑み返す。
 坂につくと彼女は急に振り返って、僕と足を並べて歩いた。周りの街灯が消えてきて、月明かりしか見えなくなった頃、僕らは空をみる。夜空を埋め尽くすような星の数に圧倒されそうになり、近くのベンチに腰かけた。「あのね!」そう言って、彼女はひとつの星を指差し、星の説明を始める。

子供のように、星をみて喜ぶ君の姿を
  相づちを打ちながら、僕はただただ眺めていた

10/12/2024, 2:42:02 PM

忘れ物をとりにきた僕は
ドアの前で足を止め秒針の進む音と共に廊下で蹲る

あの夏に咲いた君は
オレンジ色に照らされた教室で1人ただ空を眺めた


「放課後」

10/12/2024, 9:52:09 AM

目覚まし時計の鳴る音
  揺れる白いカーテンと冷たいすきま風

  指した日差しに目が眩む。僕は一息吐いてから伸び、下へ降りた。コーヒーを飲んでから僕の朝が始まる。家具の少なくなった僕の部屋。今日は残りの段ボールを運ぶだけだ。ピンポーンとインターホンが鳴る。宅配業者さんだ。続々と荷物が運び出されていき、新居のようになった部屋の壁に触れる。
 ふうっと一息吐いて、僕も荷物をまとめて家を出た。ふと振り返ってもいつもの白いカーテンはない。燦々と光る太陽に照らされ、僕は歩きだした。

Next