mia

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7/3/2024, 11:16:57 PM

このまま私の人生を生き続けていけば
何かとっておきのご褒美がありますか

ああ、また忘れていた

もうご褒美は来月末に待っているじゃないか

私の人生において最も幸せな時間が
待っているのに
そのために生きて働いているのに

忙しさの闇に飲み込まれて
記憶から消えていきそうだよ

こんなはずじゃなかったのに

でも、
その忙しさは働く自分にとって
学びや成長のための痛み、苦しみ、
人々との出会いだとも知っている

こういうとき
人間の感情は無数にあることを思い知らされる
言葉ひとつじゃ、いや、二つでも三つでも
決して説明しきれない

7/2/2024, 12:35:58 PM

プラットホームの上がりきったシャッターを隔てて
外側に立って電子タバコを吸っては吐く
その姿を

夏直前の日差しがくっきりと浮かび上がらせる

私にはあまりにも眩しい

吐かれた煙が風に乗って
どこかへ散ってしまうのが
惜しい

7/1/2024, 10:36:22 AM

窓越しに見えるのは
左手の薬指に指輪をしたふたり

オレンジ色の明かりに包まれた
少し広いダイニングで夕食を囲んでいる

笑いが絶えないとまではいかないけれど
お互いにしか聞こえない声で
もう分かりあっているような会話を
重ねて、重ねて、紡いでいるように見える

その美しさにめまいがして
座り込んだ足元には
土砂降りのあとの河川のような
濁流が私の方へと流れてきていた

目に見えるのは
一瞬にして流されるはずの濁流なのに
めまいがして座り込んだはずなのに
そこから少しも動かなかった
動けなかった

あの人からほのかにする
あの香りは
香水なのだろうか
柔軟剤なのだろうか

会いたいのに
早く会えなくなってほしい

あと2回

6/19/2024, 12:46:34 PM

ちぇっ……なんでよりによって
コイツと相合傘なんだよ

「そんなあからさまに嫌な顔するな」

「だってえー俺のはじめての相合傘ぁ〜」

「そんなに嫌ならびしょ濡れで帰ればいいだろ」

「……すんませんっ、入れてください!」

天気予報、雨なんて言ってたかな〜
ミスったな〜

「つーかお前の傘デカイな!めっちゃ良いヤツっぽい」

「父さんから譲り受けた」

「ほぇ〜かっけえな」

「……そうかよ」

「お前のお父さんが、な」

「……分かってるよ」

言われなくても分かってるよ
俺はかっこいい部類の男じゃないってことくらい

「んまあ!でもお前にもこの傘似合うな!入れてくれてあんがとな!マジ助かる!」

分かってる
こういうところがずるいって

6/18/2024, 1:33:38 PM

底が無ければ
止まることなく

どこまでも
いつまでも
落下し続けていく

落ちていくことを
楽しんでいるかのように

もしも突然、底が現れたら

跳ね返るのだろうか
弾け飛ぶのだろうか
一瞬にして砕け散るのだろうか

この思いは、どうなるのだろうか

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