mia

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6/17/2024, 6:42:26 AM

また1年経ったときに
今の激動を懐かしく思うのだろう

今だって1年前を懐かしく思う
早いなぁ、とも思う

だからきっと今のことも
そうなってくれるだろう

その為に今を生き抜くのだ

6/11/2024, 3:03:54 PM

街で見かけたアイツは
自分には見せない笑顔で

大事な彼女に手を繋がれ
猫を被っていた

俺は嫉妬している

きっと俺と会っているときの方が
アイツの本性が現れているという自負があった

けれど思い返せば
あんな無邪気な笑顔を俺には
見せるはずがなかった

ああ、くそっ。
今すぐぶっ壊してえ。
そんな猫被りの笑顔なんて
作れなくしてやる

6/9/2024, 12:25:51 PM

カーテンを開ける音がした気がした

直後にまぶたの先に光を感じた

ゆっくりと目を開けると
まだ見慣れない天井だった

あ、そうか、泊まったんだった

宿主の姿を完全には開き切れない目でやっと探すと
先程カーテンが開かれた窓際に立ち眩しそうにしていた

「まぶしくないの」
起きたばかりの掠れた声でつぶやくと

「まぶしいね、おはよう」
とこちらを振り向きながら答えた

私にはその笑顔が眩しかった、なんてね

「おはよ、」
と眠い目を擦りながら返すと

宿主は私がまだ重い頭を沈めている枕元に膝をつき
髪を撫でてくれた


まるで朝日の温もりのような穏やかな手で

6/8/2024, 2:08:37 PM

昨年の今日も「岐路」という題で
言葉を綴っている

昨年の今頃も
今年の今も

私はまた、
人生の特に仕事における岐路に立っている

ひとつ歳を重ねるごとに
ひとつ大きな経験を積んでいく

毎日必死だ
毎日ヘトヘトだ

有難い、貴重だ
そう言い聞かせて乗り越えていくしかないのだ

自分で自分を応援するしかないのだ

6/4/2024, 12:57:07 PM

元々は広い部屋だったけれど
いつの間にか狭くなっていた

けれどそれはこの場所で僕と彼で
積み上げてきたものを表しているはずだ

もうすぐ報告書も作り終わる

集中していたせいか
先程まで聞こえていたもう一人の作業音が
途絶えていることに気付くのが遅れた

二人きりの部屋

その人は背もたれに体重を少し預け
腕を組んだまま目を閉じていた

珍しい姿につい数秒見つめてしまったが
すぐに視線を戻し報告書を完成させた

できるだけ静かに立ち上がり
うたた寝する人の元へ歩く

綺麗に整った寝顔に
心の中で、お疲れ様です、と呟く

と、

唯一見慣れることのできない吸い込まれそうな瞳と
パチッと視線がぶつかった


「……何か飲まれますか」

いつもの声掛けをいつものようにすると

「……ああ、コーヒーをくれ」
とだけ返ってきた

瞳だけでわかりあえる
僕があえていつもの声掛けをしたこと
彼はそれに気付いた上でいつもの返事をしたこと
踏み込みすぎない、踏み込まない
必要最低限の会話だけで効率的に動く

この狭くなった部屋で積み上げてきたものだ

きっと指先でも間違ってでも触れてしまえば
この部屋は広くなってしまう

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