もしも未来が見れるなら宝くじと株で一当てしたいなんてあまりにも夢のない夢を想像する。子供の頃ならもう少し夢のある想像ができただろうかと思っていたら、子供の頃の落書きで大人になった自分として札束を持った姿を描いている絵が出てきた。子供の頃からそんなんだったかと可愛くない子供だったなと思いながらそんな絵まで残しておいてくれたあたり可愛がられてたのだろうなともういない祖父母を思う。未来が見えたらもう少し話をしていただろなとさみしい片付けを続ける。
無色の世界はきっと静かだとネオンの蛍光色の夜を眺めながら想像するんだと、君は言う。色から音を想像するのも少し変な話だけど、と誤魔化すように笑う姿はずいぶんと明るく跳ねるような声とともに輝いている。それにしても白黒のモノクロなら葬式ぐらいしか浮かばない自分にとっては無色の世界は想像すら困難なので。無色って結局透明ってことでいいのだろうかと益体もない質問を思い浮かべながら、君の頭の中に映る無色の世界を知りたいと思った。その前に無職から脱却しろと今度は冷ややかな君が透明な声で返してくる。君といると退屈しなくて楽しいと灰色の回答を渡しておいた。
神様へ楽しさと不安のバランスが偏ってませんか、もう少し楽しみと充実を増やしたいです。でも大体は満足している気もします。贅沢をいいますが別にそこまで強いもんでもないです。欲を言うなら無限の富とかほしいけどそこまでじゃなくてもいいです。欲しいものはほしいですが。神様へすっかりわがままになりました。足るを知る重要性は知っているつもりなのに、欲が際限なく溢れ出すのはそのような才能を与えてくれたのでしょうか。もう少し謙虚な精神でいたかったです。これも欲。
本日快晴心は曇天気分は大荒れ大嵐。ごうごうと響くドライヤーの音色を聞きながら鏡の中のどんより顔を困ったように眺めてる。お弁当の下ごしらえも準備万端、着るものだって用意済み。あとは気分を変えるだけそれが一番難しい。
遠くの空へ出かけてみる。手軽に気軽に扉を開けてそんなには怖がらなくてもたどり着く。どうやら少しくすんだ空は思った以上に美しい光が滲んでいて甘い甘い雨と塩っ辛い虹が見えた。傘を持ってくるのを忘れたので安っぽい時計塔の軒先でなんとなく眺めている。雨に濡れる自由があってもいいが、だからといってわざわざ濡れに行くのもと空を眺めていると、雨の中を楽しげに歩く誰かがいた困ったことにあまりに楽しそうだから止める気にもならないけれど美しい雨音を楽しむように壊していく。風邪を引きかねないなと思いながらも軒先を譲るには勇気も根気も足りなくて困っています。晴れればマシだろうかと思いつつあまりに楽しげだから雨が上がればいいとも言い難い。くすんだ空はあいも変わらず光が時折散っていく。