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無色の世界はきっと静かだとネオンの蛍光色の夜を眺めながら想像するんだと、君は言う。色から音を想像するのも少し変な話だけど、と誤魔化すように笑う姿はずいぶんと明るく跳ねるような声とともに輝いている。それにしても白黒のモノクロなら葬式ぐらいしか浮かばない自分にとっては無色の世界は想像すら困難なので。無色って結局透明ってことでいいのだろうかと益体もない質問を思い浮かべながら、君の頭の中に映る無色の世界を知りたいと思った。その前に無職から脱却しろと今度は冷ややかな君が透明な声で返してくる。君といると退屈しなくて楽しいと灰色の回答を渡しておいた。

4/18/2024, 4:34:29 PM