遠くの空へ出かけてみる。手軽に気軽に扉を開けてそんなには怖がらなくてもたどり着く。どうやら少しくすんだ空は思った以上に美しい光が滲んでいて甘い甘い雨と塩っ辛い虹が見えた。傘を持ってくるのを忘れたので安っぽい時計塔の軒先でなんとなく眺めている。雨に濡れる自由があってもいいが、だからといってわざわざ濡れに行くのもと空を眺めていると、雨の中を楽しげに歩く誰かがいた困ったことにあまりに楽しそうだから止める気にもならないけれど美しい雨音を楽しむように壊していく。風邪を引きかねないなと思いながらも軒先を譲るには勇気も根気も足りなくて困っています。晴れればマシだろうかと思いつつあまりに楽しげだから雨が上がればいいとも言い難い。くすんだ空はあいも変わらず光が時折散っていく。
4/12/2024, 7:04:17 PM