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12/17/2023, 4:43:26 PM

ふと閉めようとした窓の向こうから、とりとめのない話をしながら歩く誰かの声がする。静かな夜の道に静かな声が落ちていく。月明かりが空から降っている。どうでもいいような声色に透ける幸せが滲んだような信頼が、足音と話し声が混ざりながら遠ざかっていく。窓から入ってくる冷たい空気と胸から這い上がる羨ましさが溶けた吐息を引き裂くように窓を閉めた。静かな部屋に落ちるため息と孤独。

12/15/2023, 1:04:01 PM

静かな夜、ベランダでじっと空を見上げている。眠れない、目を閉じても不安が足元からのぼる。じっと横になっているのが辛くてそっと布団から出てベランダに出た。明日の予定はないのだから夜ふかしを自分に許した。指先の感覚が消えていくのがわかる。足元がひどく冷たい。それでも置きどころのない思いをそのまま抱えてひたすらに寒さを感じる。不安な心が冷えて指先の感覚のように鈍くなればいいと思いながら、雪でも振らないだろうかとじっと空を見る。暗い夜空は星すら見えない。

12/14/2023, 3:49:39 PM

イルミネーションが輝く広場を抜けて足早に家路を目指す。
楽しそうなカップルが目について寂しさが募る。鍋をしようと買った白菜と豚肉が入った少し重く感じるスーパーの袋を持ちなおしながら歩く。安いからと四分の一ではなく半分にカットされた白菜を買ったが一人では食べきるのが大変だと思いため息が出た。白いため息が溶けていく。キラキラとしたイルミネーションがあちこちで光る。クリスマスシーズンの輝きに全く関与しない日常、予定も普段と変わりない日々が続くとわかっている。寂しさも慣れれれば日常に麻痺していく。正月の休みは寝正月になりそうだとまだクリスマスすら来ていない中で先を考えて悲しくなる。ふと広場の出口近くに進むと、立っているサンタ帽子を被ったアルバイトだろう人からどうぞ~の声とともにチラシが差し出されたチラシにはポケットティッシュが挟まっている。最近はこうしてポケットティッシュが配られることも減ったと思っていたが年末近くになって予算をかけたのだろうか。笑いかけられて流されるままに思わず受け取ってしまう。なんのチラシかと思えばどうやらカップル向けのレストランイベントのチラシらしい。ポケットティッシュはありがたくもらいつつもチラシには寂しさが募る。