ふと閉めようとした窓の向こうから、とりとめのない話をしながら歩く誰かの声がする。静かな夜の道に静かな声が落ちていく。月明かりが空から降っている。どうでもいいような声色に透ける幸せが滲んだような信頼が、足音と話し声が混ざりながら遠ざかっていく。窓から入ってくる冷たい空気と胸から這い上がる羨ましさが溶けた吐息を引き裂くように窓を閉めた。静かな部屋に落ちるため息と孤独。
12/17/2023, 4:43:26 PM